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2008/03/08(土)
サルの五目御飯
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街からお見舞いの人が来ていて、湯では指先のリハビリに四人が取り組んでいた。美味しそうな佃煮や京都の和菓子、生きのいい鰤、元気が出そうなすっぽんのスープ。都会ではなかなか口に入らない上物が此処では集まってくる。私のところとは違った湯の歴史と人々を感じた。云っとくけど僻みではない。湯に行けばお相伴に預かれる。ちょっと恥じる。 湯をもらってからリハビリを終えた患者達とケモノのについて話が盛り上がった。 サルの五目御飯、香ばしくて旨いと言う。最近この辺りでもよくみるハクビシンもまた旨いと云う。たぬきは匂いがきつくて食べられないと言う人と、内臓や血を肉につけないように処理して土に埋めておけば大丈夫と言う人もいる。子供の頃よく「たぬき汁」の話を聞いたり話したりしたが食べたと言う人はひとりもいなかった。たぬきによく似て鼻が伸びたような狢(ムジナ)は旨いそうだ。冬に車に轢かれたムジナを見かけるが次の日には消えている。ケモノではなく人に食われたのかも知れない。 熊やカモシカ(今は獲れないが)は云うまでもないが、ムササビ(晩鳥)もいいそうだ。勿論、若い熊と年取ったそれでは随分違ってくるのは当たり前だ。 私は肉は豚の三枚肉と決めているから必要ないが、昭和30年代頃までの秋山の人々の暮らしのなかで岩魚やたまに食べる野生の肉は、それはお御馳走だったのだろう。ケモノの肉はどんなに美味しくても癖がありスーパーでパックに入ったそれとは雲泥の差があると言う。でもそれ以上に此処の人々の暮らしは質素で色のないものだった。現代の我々はきっとこの時代に向かってターンバックして行くのだろう。 写真は40代の彼です。誰だったのか忘れました
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