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2008/10/29(水)
氷雨
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昼を過ぎた頃から山は白い雲が下りてきてその高みを隠した。散り残ったモミジだけがその中で目立つようだったが、降りだした雨粒がその赤を散らした。見渡せるように葉の落ちた樹林の隙間から遠い大滝が見えた。滝の音も強く聞こえてすっかり山はさびしくなっていく。歩いている私の指先や帽子から滴る雨だれが肩口から入ってすっかり冷え切ってしまう。この分ではあしたの鳥甲山は雪になっているだろう。上手くすれば中津川沿いのモミジと冠雪した鳥甲は絵になるはずだ。 今頃の浅瀬には産卵の岩魚が何尾かクルクルと輪を描いて泳いでいてメス岩魚を待っている。胸鰭、腹鰭の縁が白くなるのは産卵時期のしるしでこの時期の岩魚は油がなくちっとも上手くないようだ。岩魚だって人間に食われないように工夫しているのだ。 今日の名文句 あんたこの世へ 何しに来たの 女ばっかり 追いかけず 天下国家に 目をむけて なって頂戴 大物に 唄 畠山みどり
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