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2006/02/22(水)
掘って掘って掘り出せ鉄索
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僕が言うのではありませんが、山田風太郎氏は「人生は無意味である、その人生を生き抜くことに人間の尊厳がある。」と話しました。「ウム―」と唸ります。 昨日トリノでは女子フィギュアスケートが行われて、コーエン、スルツカヤ、荒川等の演技は日々の修練を連想して感服させられました。メダルがどうのと言うより真摯に生き抜いて努力する姿にある尊厳に僕は感動するのです。 ここ秋山で生きてきた人々が大雪だとか、夏の寒さのなかで淡々と生き抜いてきた姿には人間としての尊厳があると僕も感じます。僕は中途半端な人生しか生きてこなかったからあんまり尊厳はありませんが。 そこで僕は泣きながらぶち壊れた鉄索を掘り出します。掘って掘って掘りつくすのです。ワイヤーは掘り出すにつれて重しが取れてビーンビーンと立ち上がってきます。まだ人生が無意味であると実感出来ない僕はその都度ワイヤーが外れて首が飛ぶような気がします。そのうち疲れ果てて首が飛んでもいいやと「人生は無意味である」ということを実感するのです。でもまだ尊厳はありませんが。
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