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2004/01/16(金)
私の母
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私には、実家の郡山で、一人暮らしをしている母がいます。
父は、10年前に亡くなったし、弟は山形にいるので、母は気ままな一人暮らし。
まあ、ものすごい「美」に執着を持ったお方で、朝起きてくると、ものすごいメイク道具をどーーんとテーブルに置き、美顔機でマッサージしてから化粧。
その時間は計り知れず。
そして、ブロー。
そして、衣装選び。
出かけるまでの所要時間、、、子供たちが庭でひと遊びできるくらい。
昔、私の部屋だった部屋を、衣裳部屋にしていて、アイテム別にきちんとブティックハンガーにかけてある。
それなのに、「服がない」「バックがない」「コートがない」としじゅう言っている。
買い物に行くと、いつの間にか試着室の中から 「おねえちゃ〜〜ん(私のことね)、これ、どうかな〜〜?」 などと叫んでいる。
ついでに言うと、彼女はブティックを経営していて、よそで服を買わなくても、毎日服に囲まれているのだ・・・
昨日、「毎月どんなに我慢しても化粧品代は2万5000円より安くならないのよ」・・と言っていた。
そして、私に「お母さんは子育て中でも、イツモ綺麗にしていたよ!」とイツモお小言。
突然、ブラシで私の髪をとかしたりする。
「あんた、いつ顔洗ったの?」なんて、言ったりする。失礼な!
私は、ほとんど化粧もしないし、おしゃれに興味がないから。
私は針さえ持っていれば、満足なのに対し、母はスカートのすそもホチキスであげるくらいの、針嫌い。
ついでに言えば、料理も嫌い。
立って生卵ご飯をかっ込んで、食事はおしまい。
出来るだけ、外食かお惣菜。
私が行くと、「ご飯作って、お姉ちゃんのご飯おいしいんだもーン〜〜」とねだる。
そんな母が、何年か前に癌になり、子宮と卵巣を全摘した。
弟と私、そして母が医師の前に呼ばれ、これからの治療方針についての話をされていたときに、先生は 「体の中にがん細胞が少しでも残っていたら、いやでしょう。抗がん剤の治療をお勧めします。」 私と弟は、母に 「ちょっとつらいけど、やれば安心だから先生にお任せしようよ」 と言った。
母は、母は・・・
すっくと立ち上がってピンクのフリフリパジャマをひるがえし、 こう言い放ったのだ。
「何言ってるの??髪の毛が抜けるのなんて、お母さんは絶対いやよ。トリートメントして、こんなにツヤツヤだし、カツラなんてかっこ悪いじゃないの!!」
あっぱれ、うちの母(゜o゜)
弟は「命のほうが大事だろうよ!!」と怒鳴っていたが、誰も母を止められません。
美しさの追求は、どこまでも続く・・・
ちなみに、今では癌のがの字もなく、ゴルフやフラワーアレンジメントにお忙しいようで・・・
癌も、うちの母には、負けるよなあ。
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