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2010/01/23(土) 名曲喫茶 ライオン
夜から埼玉の同期宅で飲み会が会ったんだけど
それまで時間があったので、谷中・根津・千駄木あたりをうろうろ。
初めて行ったけど、なかなかいい街なのね。探検のし甲斐がありそうだ。
いい雰囲気にくたびれた喫茶店とかもありつい入りたくなってしまったのだが、
ぐっとこらえて渋谷へ。今日は行くと決めた喫茶店があるのだ。

たどり着いたのは、道玄坂から一本入った小道。
まぁわかる人はわかると思うが、渋谷円山町といえば
風俗店やらラブホテルやら、決して上品ではない店が建ち並んでいる。
その一角に、古城とも言うべき雰囲気をたたえた「名曲喫茶 ライオン」はある。

その異様な雰囲気に加えて、窓や扉は真っ暗で、中をうかがい知ることはできない。
入りづらさでは、周りの風俗店を優に越えている(笑)。
勇気を振り絞って、年季の入った木の扉を開ける。

こういう時は、誰かと一緒のときより、独りのほうがむしろ入りやすいものだ。
もしその店が失敗だった時に、誰かと一緒ならば
その店の残念な感じを語ることでさらに残念な気持ちになってしまう。
しかし独りなら、強引に自分を納得させることができるし、
何よりその人を連れて来てしまった責任を負わなくて済むからだ。
逆に、いい店だったら確実に誰かが隣にいてくれたほうが喜びも倍増するのだろうけど。


中は真っ暗だった。ほのかに、オレンジ色のぼんやりとしたランプが見える。
目が慣れるまでに時間がかかる。
名曲喫茶ゆえ、流れるクラシックに客は静かに聴き入っている。
席はご自由にとのことなので、ミシミシと音を立てる古い床を踏みしめながら適当に2人掛けの席につく。
ちょっと、何なのよここ!すごいよ!すご過ぎる!

コーヒーを飲みながら改めて周囲を見渡してみる。
赤いベルベットのソファーが整然と並び、背もたれには白いカバーが律儀に掛けられ
ところどころに配された古い石油ストーブからはほのかな炎。
ご丁寧にも、それぞれにはやかんが置かれ、静かに白い水蒸気を吐いている。
正面には立派な木造の巨大なスピーカーが置かれ、
その周りを古いレコード達が取り囲んでいる。
椅子の整然とした配置が気になってはいたが、そう、このスピーカーに向かって
どの席も配置されているのだ。ここからはちらりとしか見えないが、恐らく二階もそうだろう。
さながら小さなオペラのような雰囲気とも言うべきか。
全てが、音楽を静かに聴くために造られている。
写真撮影・携帯電話は当然禁止、会話もなるべく控えめに、というのもうなづける。

恐らく、50年以上内装はほとんど変わっていないのだろう。
トイレには、学生運動時代の落書きがそのまま残っているし。
渋谷のど真ん中に、こんな空間が残っているのは奇跡に近い。
昭和レトロ、いや、それ以上のものがここでは味わえる。

本を読みながら、1時間ほどそこに滞在した。
雰囲気に酔いしれ、頭はくらくらだ。
今日は独りでここに来てよかった。
ここは誰かと来ても良さは倍増はしない。
独りで噛み締めるからこそ、良さが倍増する処だと思った。


日常を離れ、異空間を体験したい人はぜひ!
間違っても、たどり着く前に周りの風俗店に誘惑されないように。
まぁそれはそれで日常を離れた異空間は充分に体験できますが(笑)


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