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2006/12/17(日)
21世紀はこうなる
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都市には緑があふれ、カラフルで細い超高層ビルが建ち、 チューブの中を流線形のリニアモーターカーが走り抜ける・・
小さい頃、誰しもがこんな21世紀を思い描いていたと思う。 ずっと先の未来だと思っていた21世紀も、気が付けば6年が経とうとしている。
いざ21世紀になってみて思うのは、小さい頃と大して変わってないな・・ということ。 まぁ当時思い描いていた未来自体がかなり現実離れした風景だから、 そう簡単に実現するはずがないのだが。たかが20年で変わるもんじゃない。
実家に「21世紀はこうなる」(1990年刊)という雑誌がある。 これは俺らが勝手に思い描いていたような現実離れした未来ではなくて、 現実の科学や経済状況のデータに基づいて書かれた、真面目な未来予測本である。 だから、かなり当たっているものもある一方で、 書かれた時代が時代(バブル期)だから、感覚が今と大きく違うため、 はずれているものもある。 どちらにしても、真面目に分析して予測したものだから、リアルで面白い。 その例を一部御紹介!
・東京湾沖の人工島上に500階建てのビルを建て、国連施設をはじめ、 オフィスや住宅、生活施設一式が入るという。 ヨットハーバーや人工海岸もあるからレジャーもバッチリというけど・・ この島にはこのビルしか建っていない。誰も来ないでしょ、こんなとこ!
・北海道には「北海道航空宇宙産業基地構想」に基づき、宇宙大学や各種研究施設、 宇宙空港が整備され、宇宙への定期便が毎日飛び立つ・・ こんなこと考えてるから市町村が財政破綻しちゃうんだよな。 というより、国産ロケットは失敗ばかりだし、宇宙産業自体が最近はタブーになっちゃった感があるね。
・掘削技術が発達し、地下に住居や工場、インフラが整備され、 それが格子状につながっていき、 2020年には巨大地下都市が形成されるという。 こんなことを大手ゼネコンが真剣に考えてるから不思議。 バブル期はほんとにゼネコンは元気だったのね。
・世界各地から情報をリアルタイムに入手できるようになり、 2003年のISDNの整備により文字、画像、映像などの情報を、 自宅に設置した端末で簡単に得られるようになる。 ・・これはインターネットのことだね。 もはやISDNじゃなくて光ファイバーの時代。 この分野は予想よりも大幅に早く実現したんだね。
・クルマは高級志向がさらに進み、スポーツカーが主流になる。 エンジン排気量もさらに増し、300キロ走行が可能になる。 ・・・さすがバブル時代の思考だ・・。スポーツカーって、 最近ほとんど見かけないよね。スポーツカー自体がもはや死語かも・・。 今や全く逆をいく、ミニバンやコンパクトカーの時代だもんなぁ。
・経済大国日本が世界経済のカギを握っている。 ・・・また大きく出ましたな。バブル崩壊なんて信じられなかったんだろうね。
・国内の求人需要はますます増し、1995年頃から若年労働者の不足は深刻化する。 慢性的な人材不足を解決するため、外国人労働者が一気に増える。 ・・・まったく逆の予想だね。失業率が5%越える世の中なんて信じられなかったんだろうな。 外国人労働者が増えたってのは当たってるけど。
・お台場、みなとみらい、関西国際空港、新都庁が完成する。 ・・・これはみんな実現したね。
・ビデオに変わってレーザーディスクの時代に。 パソコンは16色カラーになり、テレビはブラウン管のハイビジョン放送。 携帯電話が普及し、どこでも気軽に話せるようになる。 また、大形ディスプレイの登場でホームシアターが実現する。 カメラはフロッピーディスクにより音声が記録できるようになる。 ・・・概ねの予想は当たってるみたいね。 レーザーディスクやブラウン管はどっかにいっちゃったけど。 カメラの録音機能ってのも・・・なんだかレトロだね。
・高齢化が進む一方で、2000年に第3次ベビーブームが起き、子供の数も再び増える。 ・・・子供、増えてないね。
・2001年、時速500キロのリニアが実用化される。 ・・・リニアの技術って、たぶんこの当時から大して進んでないんじゃないだろうか・・。
・1997年、エイズの治療法が確立される。 ・・・またあっさりとそんなことを言う・・。97年って、もう10年前か・・。
・2005年、地球規模で、CO2や温暖化の対策が取られるようになり、 国際的な規制や取り決めが成立する。 ・・・京都議定書のことかな?1997年に成立してるから、 環境に対する取り組みは予想よりも8年も早く進んだことになるね。
・2005年、賃金は1985年に較べて2.5倍になり、ますます消費が伸びる。 ・・・バブルの崩壊で全てが狂っちゃったんだね。
・今後流行るスポーツ:サーフィン、ゲートボール、ゴルフ、スキー、エアロビクス。 ・・・ゲートボールが伸びると考えられていたとは・・。 サーフィン以外は、どれも結局伸びなかったね。 スキーはスノボの影に隠れちゃったし・・。
・今後流行る趣味:陶芸、ビデオの製作、お茶。 ・・・なんだか地味。ビデオの製作って、なんだろ??
・今後流行る娯楽:ビリヤード、サウナ風呂、囲碁、ディスコ、家庭でのカラオケ。 ・・・ビリヤードはともかくとして、それ以外が娯楽の主流になってる 世の中って・・なんだか嫌だ。
そして極め付けは、経済評論家の対談の最後のひとこと。
A「日本の将来は非常に明るいんですけど、ちょっと心配なことはないですか? あるいは警告すべきこと。」
B「警告すべきことは、たった一つしかありません。それはね、政治です。」
A「なるほど(笑)そうかもしれん。」
・・・バブル崩壊を危惧しているのかと思いきや・・ この当時の人って、ほんとにのんきです。 一度、そんな時代をオトナとして経験してみたかったな。
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