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2005/08/29(月)
旅の愉しみ2
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どこにでも、それぞれの地方の文化というものが存在する。 旅に出ると、必ずその片鱗に出会うことができる。 自分のところにはない文化に出会ったり、 また逆に、自分のところの文化に改めて気付かされたり。 そういった発見が、実に面白い。 これは俺が旅をする中で、最も愉しみにしていることのひとつである。
方言を聞いたり、祭りを観たり、あるいは建物を見たり。 文化の違いを探す手段はいくらでもある。 でも、そういった文化の違いならば、観光ガイドブックをみればすぐにわかる。 俺が特に好きなのは、そーいうのじゃなくて、 もっとその土地に行かないとわからないようなコト。 しかも、生活に密着しているものであるということ。 まぁ手っ取り早い話、食文化なんかは面白い。 それも、土地の名物とかじゃなくて、もっと違った食文化。 もっともっと、生活に密着した食文化。
今回九州を旅行して感じたのは、九州のアイス文化はスゴイ!ということ。 東京のコンビニなんかの棚は、ロッテやエスキモーや森永やらの、 大手メーカーのアイスで軒並み支配されてしまっている。 もちろん九州にもそれらが存在するが、 明らかに見覚えのないアイスがごろごろしているのだ! 竹下製菓を筆頭に、セイカやチロルといった地元メーカーが頑張っているのだ。 ちなみに、セイカは、東京ではボンタンアメのメーカーとして知られている。 そして、チロルはもちろんチョコだ。 それらのメーカーが、九州ではアイスメーカーとして知られているのだ。 そういえば、俺らが一時期ハマった、 抹茶ぜんざいアイスを輩出した丸永製菓も九州のメーカーだ。 そうした土壌で、「白熊」などの名物が生まれるのもうなずける。
それらの会社が九州で売っているアイスは、だいたいが60円〜80円だ。 東京のアイス市場が120円〜150円と高騰しているこの御時世に、この値段は奇跡だ。 まさにアイス王国ならではと言えよう。 子供たちの気楽に手の届く範囲に、いつもアイスがあるのだ。 それらのアイスは、だいたいがチープなデザインだ。昭和50年代的というか。 高度成長が一段落した時代、野球帽に半ズボンのガキが食ってるイメージだ。 このたとえ、ちょっとわかりづらいかな? でも、デザインはチープでも、その味は大物だ! 何だか知らんが、どれもうまい! とても東京の大手メーカーが出せる味ではない。 凝りすぎないウマさ、とでも言おうか。 素朴さの中に、しっかりとした味わいを持っているのだ。 ハーゲンダッツもうまいが、ハーゲンには百年かかっても作れない味だ。 そんなアイス達を、九州旅行中、新しいものを見つけてはずっと食っていた。
特に目に留まったのが、「かきごおり」だ。 これは、竹下製菓を筆頭に、地域ごとに色々なメーカーが出している。 メーカーによって、微妙にデザインと味が違っていたが、どれもうまかった。 要は、イチゴ味のかき氷をそのまま袋にぶち込んだだけの代物である。 でも、この味とボリュームで60円はすごい。 だいたい、九州〜山口〜松山界隈のコンビニには置いてあるので、 ぜひ手と口をベトベトにしながら食していただきたい!
さてさて。九州のアイス文化の素晴らしさについて延々と述べてきたが、 ほかにもこういったB級食文化はたくさんあるものだ。 例えば、パンなんかはその地域の色が出やすい。 地方に行くと、イケダパン、リョーユーパン、フクダパン、イチノヘパン、 ヌマヅベーカリー、タカキベーカリー・・・などなど、 東京ではお目にかかれないようなメーカーのパンがずらりと並んでいる。 それらのメーカーが、山崎やパスコといった大手メーカーと肩を並べて、 何の遜色もなく売られているのだ。
もっと分かり易い例で言うならば、乳製品なんかがそうだ。 これなんかは、もう地域ごとで全く違うメーカーが縄張りを敷いて、 地方色豊かな製品を出している。 俺が思うに、パンや乳製品といった、日持ちしない日配品は、 より近くで生産された地元メーカーのものが好まれるのかもしれない。
ほかにも、醤油、ソース、銭湯のドリンク・・などは地方色が出やすい。 旅先で、ふらっとスーパーに立ち寄って、こういった商品を探してみるのも面白い。
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