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2005/02/20(日) 南セントレア(調査前篇)
 名古屋観光を終えた俺らは、いよいよ本題にうつるために名鉄に乗り、まずは美浜町の中心地「河和」を目指す。乗り換えを繰り返すうちに、どんどん景色は長閑になり、列車も短くなっていく。それでも河和の駅は、町の中心らしくショッピングセンターを併設しおり、賑わっていた。まずは今回の騒動の中心とも言うべき美浜町の役場へ。休日なので閉まっていたので、人が多そうな向かいの特産物の売り場前にて調査することに。今回の調査をするにあたって、俺らはフリップを用意した。表には大きく「賛成」「反対」と書いて二つに分けてあり、ここに住民の皆さんにシールを貼ってもらうのだ。裏には、「新市名にふさわしいのは?」と題し、いま候補に上がっている12の市名を列挙した。ここにも、自分がふさわしいと思ったところにシールを貼ってもらう。人間は、どうしても他の人の意見を参考にしたがる。だから、今回のように他人の意見がシールの数によって明確に示されている場合、意識操作が起こり正確な結果を得ることができない可能性がある。調査専門用語でいうところの「バイアス」である。しかし、今回は住民にもわかりやすい調査をする必要があり、敢えてこの方式を採った。調査員としての名札を胸にぶら下げて、さっそく調査開始。

 農産物中心の店とあって、中高年の方が多かった。皆、俺らが声をかけると気軽に調査に応じてくれた。中には自ら寄ってきて積極的に意見を述べる者もおり、今回の問題に対する意識がいかに高いかを象徴していた。

 次に調査を行ったのはさきほどの河和駅前。ここはわりと人が多かったので、調査がしやすかった。さきほどとは違い、中学生や小学生などの若年層の意見も聞くことができた。驚いたのは、小学生までもが今回の経緯や合併による損益の詳細について詳しいということだ。学校でも、このことについて活発に意見が交わされているようだ。やはり、「南セントレア」という名前は小学生にまで嫌われていた。そして、合間に海沿いまで歩きながら、町行く人をつかまえては調査をした。その間、町内のいたる箇所で住民投票を促すポスターや宣伝カーを目にし、住民投票を前にした盛り上がりを感じた。しかし、どう考えてもこの静かで美しい町に「南セントレア」という名前がふさわしいとは思わなかった。

 美浜町では、50人の意見を聞くことができた。この町では、「南セントレア」という名前はもちろん、合併そのものについて反対している人が多かった(賛成7:反対43)。意外だったのは、美浜の多くの人が「南知多」を新市名の候補に挙げていることである。しかしこれは合併相手の「南知多」ではなく、知多半島全体から見た場合の地域名である「南知多」のようだ。住民が全国に通じる名前を求めていることがわかる。主な反対意見は次の通り。

「財政的に苦しい南知多との合併は、美浜にとって不利」(最多意見)
「住民の意見を無視した協議会のやり方が気に入らない」
「なんでも大きくすればよいというわけではない」
「美浜という名前を守りたい」
「美浜と南知多という小さな町同士が合併しても現状は脱却できない。知多半島全体での合併が必要」
「公務員の削減につながる」
「セントレアは空港のある常滑市の名前であって、この地区とは関係がない」etc.

逆に、賛成の意見としては次のようなものがあがった。
「どうせ将来合併するなら、特例債がある今のうちに」
「公費の削減につながる」
「セントレアという名前は嫌だが、合併自体には賛成」etc.

 駅前で味噌カツを食い、こんどはもう一つの町である南知多町へバスで移動。鉄道は美浜町までしかきていないため、南知多の中心街へはバスでの移動が主となる(もっとも、自家用車の利用が多く、公共交通機関の利用は学生か老人のみであるが)。バスは1時間に1本の割合で走っているが、乗車率はあまりよくないようだ。果たしてこの2町はそれほど交流があるのだろうか、と思った。

 豊浜という、南知多の中心集落に20分ほどで着く。ひっそりとした港町で、さかなセンターへの観光客以外は人影が見当たらない。各町50人、計100人を目標にしていたので、ここで50人の意見を聞くことは到底不可能であった。それでも、たまに見かける住民を見つけては話を聞いた。そして、個人商店に入り、店主にも話を聞いた。こちらから動かなくては人に出会えない。それだけ人が少ない集落であった。ふと、昨夏にゼミ論文執筆のために調査した熊本の長洲町も、こんな感じで調査に苦労したことを思い出した。


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