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2004/06/25(金)
キング
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うちの大学には不思議な人がたくさんいる。今日御紹介する「グラサン」もその一人だ。学内では、常にサングラス・革ジャン姿であることから「グラサン」の名で親しまれている。ただ「俺は、車、バイク、歌、ダンス、法曹、女、多摩クリ○タルの7つの世界を制したキングだ」という彼自身の発言にちなみ、俺は敬意を表して「キング」と呼ぶことにしている。 彼は、常に独り言を言っている。静かに佇み、タバコとコーヒーを片手に滔々と語るのだ。会話の内容からしてとても博識であることはわかるのだが、いささか(というかかなり)常軌を逸脱しておられる。そして、「中大校歌を歌う会会長」であるがゆえに、高らかに校歌を歌っているときもある。しかし、校歌よりも「仮面ライダー」等の特撮ヒーローソングを歌っていることのほうが多い。また、ある時は「大仏」のかぶりものをして歩いているのを見かけた。いつもは大股で我が物顔で闊歩しているキングも、さすがに大仏のかぶりものは目穴が小さかったのだろう、右往左往して非常に歩きづらそうであった。 だが、今年に入ってからはすっかりその行動も落ち着いていた。一時期はグラサンを外し、ジャージ姿という、今まででは考えられなかった気の抜けた服装で登校もしていた。もうあの時の彼には出会えないのだろうか。勇者は去ってしまったのであろうか。俺はひとつの時代の終わりを感じていた。
・・・・だがしかし!勇者は帰って来た!グラサン、革ジャンという往年の出で立ちで、彼はパワーアップして帰って来たのだ。 今日夕方、後輩からの「グラサン、暴れてます」の一報を聞き付け、俺はY子とU3と現場へ向かった。そこには、ラジカセの音を最大にし、「ガッチャマン」「ゴレンジャー」「コンバトラーV」をはじめとする70年代特撮ヒーローソングを学内中に響かせる「キング」の姿が!これでこそキングだ。通行人の視線などには目もくれず、体中で「特撮ヒーローソング」を鑑賞しているキングは、まさにサバンナの王者、雄ライオンのごとく悠然としていた。特撮ヒーローソングだけでは飽きるので、時には「松任谷由美」なんかを挿入してしまうあたり、なかなかのセンスを感じる。俺たちはしばらくその素晴らしいDJっぷりに聴き入っていた。 特撮ヒーローソングには、ヒーローと敵の対決シーンも収録されていた。「いくぞ!」「おう!」「うわぁぁっっ!」「ボゥッゥゥゥゥゥッッ!!」「ウワッハッハッハッハ・・・」などどいった、凄まじい音とセリフが、夕闇せまる学内中に不気味にこだまするのであった。こうして今日も、中大の平和な一日が終わるのであった・・・。 「キング」ことグラサンに関する詳しい情報はこちら↓ http://jbbs.shitaraba.com/study/976/storage/1042958164.html
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