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2004/12/16(木)
ちょっといい話
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先日香港に行った時に、ドラゴン航空という航空会社を利用した。そのとき、俺らが付けていた名札のお陰で中央大学のゼミの学生と知り、香港のオススメスポットや美味しい店などを特別に紹介してくれたり、いろいろなグッズをくれた日本人のフライトアテンダント(=スチュワーデス)の方がいた。その方は気さくで、とても親切に、そして何よりも楽しそうに俺らに香港の魅力を話してくれた。楽しく仕事をしている人は、輝いて見える。 香港に着いてから5日ほど経ったある日、俺らはとある漁村に観光に行くために、香港島の中心街を歩いていた。すると、郵便局の前でどこかで見た事のあるスーツ姿の女性とすれ違った。「あれ・・?あの人・・」そう、行きの飛行機でよくしてくれた、あのフライトアテンダントの方だった。「あ、もしかしてドラゴン航空の・・」「!!・・・あ、あのときの中央大学の学生さん!?」皆その偶然に興奮しつつ、しばらく道端で話した。彼女は、これからまた業務で香港を発つらしかったので、俺らはその場を後にした。その時、うちの先輩のひとりが、彼女とメールアドレスを交換していた。
あれから約半月。その先輩が、メールを送ってみたらしい。そうしたら返事が返ってきて、以下のようなやりとりをしたそうだ。
再会したとき、彼女はスーツだった。俺らはそれに対して特に何も気にしていなかったが、実はあのとき、今の仕事に向いてないんじゃないかと思って他の仕事の説明会に行く途中だったようだ。俺らからしてみれば、あんなに楽しそうに仕事をしていて、天職なんだな、と思ったほどだったので、それは意外なことであった。しかし、実際は深く悩んでいたようだ。でも、あの時俺らに声をかけられて、すごくうれしくて、「こういう出会いがあるからやっぱりこの仕事やめられない!」と思い直したんだそうだ。そして、もっともっとフライトアテンダントをがんばるという決意を固め、そのときの説明会には行かなかったそうだ。
「ハッピーフライト」という言葉があるらしい。数えきれないフライトの中でも数回しかない、素敵なフライトのことをいうんだそうだ。俺らがたまたま乗り合わせたあのフライトは、彼女にとって人生の転機ともなりうる、まさに「ハッピーフライト」となったのだそうだ。
・・・旅の醍醐味って、やっぱり「出会い」だと思う。思い返せば俺だって、岡山に向かう電車でたまたま向いに座って色々話した自転車乗り、広島の尾道でいろいろな話をしてくれたカフェの店主、沖縄の石垣島のユースホステルでたまたま居合わせて飲み会を開いた仲間達、石垣島の簡易宿舎で知り合い、沖縄料理を作ってくれたり一晩中港で飲み明かした仲間達、沖縄の小浜島という小さな島で一緒に遊んだ地元の子供達、高知の列車の中でずっと旅について語ってくれたオバチャン、愛媛の田舎駅で野宿した時にふらりとやって来た、実は気さくなヤンキー集団、大分からの寝台列車で隣のベッドにいていろいろな話をしてくれたオバチャン、同じ寝台列車でいろいろな手品を見せてくれた、孫に会いに行くというおじいさん、名古屋で余った地下鉄一日乗車券をくれた紳士、広島の市電で両替が出来なくて困っていた俺のぶんの運賃まで払ってくれたおじいさん・・・などなど、様々な出会いがあった。こういう意外な出会いがあるから、旅はやめられないのである。
俺らとの「出会い」が、今回は彼女にとってものすごく大きな意味を果たした。それは俺らにとってもすごく嬉しいことであるし、ぜひこれからもフライトアテンダントとして頑張ってほしいものである。
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