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2010/06/03(木)
私が見たかった 猫の絵
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私はこの画家をテレビの日曜美術館で見るまでは全く知らなかった。 長谷川りん次郎は「幻の画家」としてメディアで最近は取り上げられているけれどその理由は 画壇に属さない孤高な制作態度と、納得いくまで観察しないと描かないという寡作さゆえらしい。
その有名なエピソードが、この絵にまつわるもの。 よく観ると、この猫の絵は片方にしかヒゲがない。 納得いくまで観察しないと描かないのでタロウがこのポーズをしてくれるのを、ひたすら待ったのだそうだ。 猫がこの態勢を取る時期というのは暖かい時期だけで何度もキャンバスの絵を消しては描きを 繰り返して、6年もたってしまって結局猫が先に亡くなってしまって、片方のひげしかないというエピソードが書かれていた。
又この絵の横には、タロウの履歴書が展示されていて
身長: 計測不可能 伸びたり縮んだりする。 体重: ずっしりと重し。 賞罰: 有り。 いたづらをして、家人に怒られると身体が平たくなる。さらに大声で怒られると床と同じくらい平たくなる。 職業:睡眠研究株式会社社長 等々 長谷川さんの字でたくさん書かれていて笑ってしまう。
本当に気持ち良さそうに眠っている。どんな夢を見ているのかしら? 思わず手を伸ばしてそうっと撫でたくなるような圧倒的な存在感 片方のひげが描かれていないので余計に忘れられない印象を残すのか妙に不思議な画風にひかれた。
彼は10年以上の時を超え、同じモチーフを描いたこともあったのだそうだ。(アネモネの花) それにアトリエを非常に清潔にするよう心がけていたそうで.「アトリエはいつも掃除してゴミ一つ落ちていないようにすること」とか一日の日課が記されていたが 半ば潔癖と思うほどの性格がこういう画風を生み出すのかも知れない。
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