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2003/06/01(日)
映画 トンネル
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シネマサークル えいあいれんの4月の例会
1961年、突如現れたベルリンの壁、長さ約166キロ、 高さ約2メートルで、上には鉄条網が張り巡らされていた。 西側へのすべての輸送・交通網が遮断され、数十万人の家族が東と 西で引き裂かれる,ベルリンの壁が建造される直前から物語が始まる。 それも実話とあって非常に説得力がある。
1962年5月、ハッソ・ヘルシェル氏(当時27)が仲間と共に西ベルリン側から トンネルを掘り始めた。廃工場を借り、地下7メートルほどの深さまで掘り、 その後、東ベルリンへ向けて掘り進んだ。 ベルリンに多い地下水と戦いながら、トンネルを補強しつつ少しずつ掘り進んだ。 そして東ベルリンのアパートの物置部屋に到達。 ハッソ氏の妹ら東ベルリンの亡命希望者とはスパイさながらの方法で連絡を取り合い、 計29人が西ベルリンへ脱出したハリーのモデル、ハッソ氏は亡命支援者として有名で、 以後1972年までの10年で約1000人の亡命を成功させたらしい。 壁が崩壊するまでの28年間、西ベルリンへの脱出を試みた人は5000人以上。 200人以上が命を落しているという。
上映時間が2時間47分と長いが映画の始まる前に 東西冷戦時代壁が作られるに至った解説があり映画の内容も良く分かった。 始めからスリリングで国家保安局との攻防によるサスペンスなどで 最後まで夢中になってしまって時間の長さはまるで感じられなかった。 掘っている人間各々に複雑な人間関係。 自分の恋人がスパイになってしまったり、西側に居る息子を守るために自殺する母親、 壁の向こうで自分の恋人が撃たれる銃声を聞いてしまう女性…。こういう時代が つい最近まであったのだと思うと恐ろしくなってしまった。 朝鮮半島も今分断国家で彼らが見たらどう思うだろうと考えながら見た。 事実だけが持ちうる圧倒的な重みを感じた。
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