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2004/09/03(金)
越中おわら風の盆
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いつか高橋治の『風の盆恋歌』を読んで以来憧れつづけていたのがやっと実現。 300年の歴史を持ち人から人へと伝えられてきたおわら風の盆。 尽きせぬ哀調の中に優雅で叙情豊かな唄と踊りは気品が高くて静謐でとても感動した。 路地をいくつも抜けながら坂の多い八尾の町は、格子戸の旅篭宿 土蔵や造り酒屋の昔の面影を一杯に残してタイムスリップしたような町並みにぼんぼりが灯る頃。 まるで女性のすすり泣きのように聞こえる甘く物悲しい胡弓の音や三味線 太鼓のテンポのゆっくりとしたリズムに合わせて編み笠をかぶって、それはそれは優雅にこれ以上ないというゆっくりとした静かな踊り。特に女性の細くて反り返る指先の美しさ。 見物人も普通のお祭りのように騒がずに、踊りの列は乱れもなく静かに静かに進む。その静けさに陶酔した。 日本人の美意識の真の姿を見た感じがした。 いつまでもこの幽玄の世界がこれからもこのままの姿で 残って行って欲しいと心から願った。
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