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2008/08/20(水)
『#63 ASIA 〜 パキスタン』
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『HOW ARE YOU !?』 8/17 ペシャワール
「HOW ARE YOU, JAPANESE!?」 「…Fine!! Are you?」 ペシャワールの地理を体で覚えようと暑さにだれながら路地裏を歩いてると、縦横無尽に飛んでくるのは「HOW ARE YOU !?」。 いつも誰かに声掛けられる。 時にそれが楽しく、それがうざったい。 自分のコンディションが悪いときにゃどうしたって誰も相手にしたくなくなる。 「ほっといてくれ!」 そんなことをいうのでさえ面倒臭いんで、暑さや疲れに任せて僕は何も聞こえない振りをする。 でもそんな時、陽気に店番してるじいさんに威勢良く「元気か?」と聞かれれりゃ、ついこっちも負けじと元気に答えたくなるってもんだ。
「HOW ARE YOU, JAPANESE!?」 「…Fine!! Are you?」
じいさんは愉快に笑い皺を濃くしながら続ける。
「HA-HA-HA I'M ALWAYS FINE !!」 「…Always?」
するとじいさんは自分のちっさい店を抱えるように指差して答えた。
「YAH!! I WORK THIS SHOP EVERYDAY, SO, I'M BUSY EVERYDAY, SO, I'M FINE & HAPPY EVERYDAY !!」
半畳程度の古ぼけた商店のじいさんが顔を皺くちゃにしながら、笑った。 僕の目は爛々と輝いた。 なんて格好いいんだと輝いた。 僕はそのじいさんにすっかり魅せられていた。 僕は行き過ぎていたじいさんの店に引き返した。 なんかすごく幸せな気分になりましたよってことを感じたままじいさんに伝えたかった。 でも直接そんなことを見知らぬ外人に言われたらびっくりする、いやそれ以上に言葉が分からない。 店先に戻ってくるわずか3秒間にいろいろ考えた結果、僕は店先に並んであるペースト状のチョコを一本買った。 わざわざ店先でそれをちゅーちゅーとすする。 それからさっきの感動を込めてじいさんに伝えた。 「This chocolate is good !!」
それからさっきよりもすこし軽い足取りでまた散策を続けた。
きっとじいさんには何も伝わっていない。
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