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2008/04/09(水)
『椎谷陽 二』
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3月31日。 このブログに文章を書いた。 タイトルは「椎谷陽一」。 次の日、陽一君から一通のメールが届いた。 「崇、俺のハゲネタ使い過ぎ」 ははは。
そんなことはさておき、僕は貧乏性だ。 あ、話は変わる。 僕はずっと自分を貧乏性だと思っていた。 一時は貧乏性過ぎて体調をおかしくもした。 だから僕は人に胸を張れるくらいの貧乏性だと思っている。 でも「節約」と「無一文」の意味は大きく違う。
ということで人の振り見りゃ自分が見える、今日はそんなお話。
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数日前の稽古場。
「じゃあ今日の稽古はこれでとります、お疲れ様でした」 「お疲れ様でした!」
僕は脱兎の如く便所に向かった。 この貧乏性にも困ったもんだ。 もったいないの精神100%で出来上がってるこの体は尿意さえもったいなく感じる。 だから溜めて溜めて、稽古後ようやく便所に向かえる。
「・・・はあ、すっきりした」
で、洗面所でふと鏡を見る。 と驚く。 「・・・うわ、髪伸びたな」 気づけば僕はもうロンゲの域に達していた。 「・・・やだなあ」 僕は男が髪をかきあげる仕草が嫌いなんで。 だから男のロンゲってもんが嫌いだ。 なんか二つ折りの携帯を小気味よく開くくらい嫌いだ。 なんか旅館で靴べらを迷いよく使うくらい嫌いだ。 どの仕草もなんか格好良過ぎる。 いつだって「過ぎる」はいけない。 謙虚に生きていこう。 でも僕だって髪が伸びればやっぱり髪をかきあげちまう。 「ああ、邪魔だな・・・」 僕は髪をかきあげながら鏡を覗き込む。 と、それを眺める者が右端に映っていた。
「・・・あ。」
椎谷陽一だ。 「お疲れさんす」 「お疲れさんす」 そこで僕は気付く。 ああ、そっか。僕は裕福だった。僕はふさふさだった。人の振り見りゃ自分が見える。
そして今日、二人で飲んでいるときに彼は語った。 「俺は中途半端だよ。どうせなら伊武雅刀とか竹中直人とかまで行きたいよ」 なんか、格好良い。 「陽一君、いっそキューピーちゃん見たいなのまでいったらどうなのよ?」 「崇、あのハゲかたは難しいんだよ」 なんか、格好良い。専門家の話を聞いてるようだ。
ということで僕は浅はかだった。 なんでも「過ぎる」ってのはいけないことだと思っていたが、 例えば陽一君の場合、早く「過ぎて」しまうことが幸せなんだな。 これからは陰ながら陽一君を応援する。 滅多に人には言わないけど、今日だけは。
頑張れ!
苦情メール、お待ちしております。
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