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2008/04/05(土)
『天国か地獄か冷静に見極めよ』
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知ってる人は教えて欲しい。 人は死んだらどこにいくのか。 輪廻転生は存在するのか。 本当に天国と地獄ってのは存在するのか。 もし存在するなら僕が死んだら、どっちに行くのか。 天国、か地獄か。 どっちが良物件なのか。 どっちが風呂付きなのか。 それを冷静に見極めてから、住み良い方に行きたい。 ということで今日はひとまず、天国と地獄を覗いてきた。
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大阪、平野、全興寺。
「・・・お邪魔しまーす・・・あ、どうも初めまして、いやあさすが。すごい、すごい風格、抜群の貫禄じゃないっすか閻魔さん」
今日、閻魔大王と会ってきた。 着物着込んで意気込んで。 春の陽気に誘われて。 シャツも着ないで直接着物着ちゃったもんだから乳首が痛い。 擦れて擦れてしょうがない。 痛さで眉間に皺が寄る。 でも閻魔さんは眉一つ動かさず、人形みたいな奴だった。 噂通り固い。 でもめげちゃいけない。 仲良くなろう。 「あ、申し遅れました。自分、中村って言います。日本人っす。隣人愛してねえっす、豚肉好きっす」 眉一つ動かさない。 何だよ。無反応かよ。 「・・・聞きましたよ、閻魔さん、ああた元々人間らしっすねー。はは、人類最初の死者だとか」 彼の一存で僕たちの来世は決まる。 だったら今のうちに胡麻を擦っとけ。 仲良くなっとけば、将来安泰。 「に、しても狭いっすねー」 にしても地獄は狭かった。 僕はてっきり地獄ってのは広いもんだと思っていた。 一畳半かよ。 閻魔様もなんだか窮屈そうで、いたたまれない。 そこによく分からん鬼とよく分からん婆さんもいるもんだから、僕の入るスペースなぞそうはない。 「なんだよ、つけいる隙なしってか」 地獄、定員オーバー。
じゃあ天国はどうだろう。 併設されてる「ほとけのくに」はなかなかに面白かった。 地下に作られた空間は暗く、床はステンドグラスの曼荼羅が輝いていた。 「・・・綺麗だな」 雪駄を脱ぎ、たもとを整え、曼荼羅の中心で座を組んでみる。 うん。 天国、良いな。
よし。 80になったら天国行こ。
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