マガッタ玉日記
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2008/04/05(土) 『天国か地獄か冷静に見極めよ』
知ってる人は教えて欲しい。
人は死んだらどこにいくのか。
輪廻転生は存在するのか。
本当に天国と地獄ってのは存在するのか。
もし存在するなら僕が死んだら、どっちに行くのか。
天国、か地獄か。
どっちが良物件なのか。
どっちが風呂付きなのか。
それを冷静に見極めてから、住み良い方に行きたい。
ということで今日はひとまず、天国と地獄を覗いてきた。

***********

大阪、平野、全興寺。

「・・・お邪魔しまーす・・・あ、どうも初めまして、いやあさすが。すごい、すごい風格、抜群の貫禄じゃないっすか閻魔さん」

今日、閻魔大王と会ってきた。
着物着込んで意気込んで。
春の陽気に誘われて。
シャツも着ないで直接着物着ちゃったもんだから乳首が痛い。
擦れて擦れてしょうがない。
痛さで眉間に皺が寄る。
でも閻魔さんは眉一つ動かさず、人形みたいな奴だった。
噂通り固い。
でもめげちゃいけない。
仲良くなろう。
「あ、申し遅れました。自分、中村って言います。日本人っす。隣人愛してねえっす、豚肉好きっす」
眉一つ動かさない。
何だよ。無反応かよ。
「・・・聞きましたよ、閻魔さん、ああた元々人間らしっすねー。はは、人類最初の死者だとか」
彼の一存で僕たちの来世は決まる。
だったら今のうちに胡麻を擦っとけ。
仲良くなっとけば、将来安泰。
「に、しても狭いっすねー」
にしても地獄は狭かった。
僕はてっきり地獄ってのは広いもんだと思っていた。
一畳半かよ。
閻魔様もなんだか窮屈そうで、いたたまれない。
そこによく分からん鬼とよく分からん婆さんもいるもんだから、僕の入るスペースなぞそうはない。
「なんだよ、つけいる隙なしってか」
地獄、定員オーバー。

じゃあ天国はどうだろう。
併設されてる「ほとけのくに」はなかなかに面白かった。
地下に作られた空間は暗く、床はステンドグラスの曼荼羅が輝いていた。
「・・・綺麗だな」
雪駄を脱ぎ、たもとを整え、曼荼羅の中心で座を組んでみる。
うん。
天国、良いな。

よし。
80になったら天国行こ。


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