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2008/03/02(日)
『君は女学生』
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「ヘルパー2級とることにしたんだ!」 「えっ!?」 「だからちょっと学校通うんだ」 「おおっ!!」
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中村アサ子。 女学生である。 うちの母は女学生なんである。 50代だろうとなんだろうと、中村アサ子は今、週末「女学生」に変わる。
この人は年をとるごとに、活性化していく。発酵していく。 見ていて面白い。 元々内気なこの人は自分に贅沢を許さなかった。 金銭的にではなく、精神的に。 遊ぶ贅沢。 代わりに子供たちに自由を与えた。 少なくとも僕にはそう見えた。
この人は色んなことに興味を持つ。 いつも本を読み、いつも映画を見、いつも写真集を眺めていた。 知識もある。 感性も鋭い。 贔屓目でもなんでも、とにかくすげー感性をしている。 でもそこまでだった。 表に出る事を選ばなかった。 「やってみりゃいいのに」 「お母さんはいいの。」 「行ってみりゃいいのに」 「お母さんはいいの。」 何度もこの台詞を聞いた。 その度に思う。 「もったいないな」 我慢する美徳も分かるけど、全てがそれじゃもったいない。 興味があるならもったいない。 この人なら妄想空想のたいていは形に出来るのに。 だから「もったいない」。
そして今、3人の子供もそれぞれ実家から離れた。 と。母は動き出した。 興味あることにふらりと動き出すことにした。 今じゃふらりと電車に揺られて一人旅に出たりもするらしい。 彼女の好きな緑の森に囲まれる姿を想像してみる。 うん。 似合う。 でも友達に「今日どこにいってたの?」と聞かれると、 申し訳なさそうに「どこ」とだけ答えるそうだ。 でも実際は「どこ」ではなく「どこどこどこ」に行っていたそうだ。 こことそことあそこと。 一日時間の許す限り、色んなところを飛び回っている。 その話を聞くのは面白い。 もっと聞かせてほしい。 もっと電話の向こうで嬉々として喋ってほしい。 それって格好いいと思う。 次男坊は負けずに、君にはない「若さ」を武器にどこどこどこどこに向かいます。
とかなんとか。
中村アサ子。 本日。 生誕52周年なんである。
おめでとう。
50代のうちにパスポートを用意しておいて下さい。 いつか一緒に海外旅行でも行きましょう。
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