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2008/02/05(火)
『僕の岸和田。』
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「やっぱ家は日本家屋だよなぁ」
今日はみかんの木と綺麗に手入れされた松なんかを見ながらバスに揺られてきた。 山の途中は日本家屋ばかりが広がっていた。 良い眺め。 そういえば白川郷にも早く行ってみたいもんだな。 にしてもこのバスはどこまで上るんだろうな。 乗客はもういない。
「岸和田」から公共バスに揺られること30分弱、 「へぇ。ここも大阪なんだ」 食い倒れのイメージからほど遠い山にやってきた。
だんじり祭りで有名なあの岸和田、 この町は活気とヤンキーが溢れる街だと思っていたが、 僕が来た岸和田は静かな山だった。
「腹減った」
昨日の夜から何も食べていない。 でもこの坂を登り切ればきっと食い倒れが待っている。
2月2日解禁、 時間無制限、 コンデンスミルク好き放題、 ホイップクリーム好き放題、 女峰食べ放題、 つまりは「イチゴ狩り」にやってきたんで。
『朝9時半先着順定員になり次第締め切り』
こりゃいかん。 まだ解禁したばかりだ。 平日とはいえ、人で溢れかえっているだろうに。 早朝大阪駅に着くと、いきせいやってきた。 電車を乗り継ぎ、バスを乗り継ぎ、山道を登り、やがてビニールハウスが見えてきた頃、 時間は9時半ジャスト。 これはお見事。 これで一安心。
にしてもそこはシンと静まり返っていた。 こんなに人気がないのか苺狩り。 こりゃ昼に出ても受け付けてくれてたかも知れんな。
ビニールハウス貸し切りをイメージしながら、薄暗い受付に行くと人の代わりに看板が立っていた。
『本日のイチゴ狩りは終了致しました』
いやいやいやいや。そんなはずはない。 2月2日解禁と言っていたではないか。
「すいませーん!どなたかいらっしゃいませんか!」
静かな館内で僕の必死な声はよく響く。 「すいませーん!」
「はい?」 「あ。良かった。苺、狩りに来たんですけど」 「あ。平日はやってないんですよー」
串カツを食い倒れてきた。 明日は京都に行こう。
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