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2008/01/30(水)
『タイムカプセルの中にはグチャグチャの絵を入れたいんだ』
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「こりゃ今日一日はなんも起こらないな」
朝起きて、なんとなくそう思った。 きっと今日はいわゆる平凡な一日って奴だな。 でも今日はなんとなく非凡に過ごしたい。 理由はないけど、なんとなく平凡そうな一日をなんとなく非凡にしてみたい。 なんか色が欲しい。
僕は僕の一生をもともと白紙で生まれたと思ってるから、毎日ほんの少しでも色を足したくなる。 27年前両親から真っ白い製紙をもらった。 そんな感じ。 あとは僕がそこに好きな色を足してったり、好きな人たちに好きな色を足してもらったりしてる。 80でその絵をみた時、自分でも何がなんだか分からんくらいグチャグチャに出来上がってれば最高だと思ってる。 でもどうやらこりゃ今日は何も足せそうにないな。 まあたまにゃそんな日もある。
キキィ!
そんなことを考えながら歩いてたら、自転車にぶつかりそうになった。 直前でお互いサッとよける。 そして自転車も僕も少し離れたところで振り返る。 自転車が言う。 「ごめんなさーい!」 僕もつられて言う。 「いえ、こっちこそー!」 人のいいおばさんだった。 そしておばさんはまた普通に去っていく。 一方僕はさっきより少し晴れやかな気分で歩いてる。
あそうだ決めた。せっかく平凡な一日なんだから今日はめちゃくちゃ謙虚に生きてみよう。
胡散臭いくらい謙虚に。
「2008年1月30日、誰よりも腰低く謙虚に過ごした日」
これ、やってみよう。 それから僕は会う人会う人、謙虚に接してみた。 いつもならムッとするとこも笑顔で「ああなるほどねー」と言ってみる。 相手が違うと思っても謝ってみる。 うん。 謙虚であるって難しいけど、なかなか気持ち良いもんだ。 でも1分後にはまたムッとしてる。 やれ会話の端をとるだの、やれ前の車が遅いだの、やれいきつけの喫茶店が閉まってるだの、やれマイルドセブンの3mgが置いてないだの、平凡な一日でもムッとするネタはつきない。
本当しょっちゅうムッとしとるんだなこの頃の君は。 でもな、若いってのは財産だ。 今のうちはなんにでも喰いつきなさい。 うんうん。 80の爺さんが頷いてる。
そんなことを考えながら、平凡な夜は更けていく。
うん。 何色なんだか、何がなんだか分かんないけど、 今日、今までの僕は見たことのない色を覗いた。 そんな気がするよ。
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