マガッタ玉日記
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2007/09/09(日) 『HANIWA』
だから僕は、一月後が楽しみなのだ。


小学生の頃、鏃(やじり)をつくった。
適当に小石を拾い、荒いアスファルトや細かなコンクリートで削り、やすり、少しづつ尖らせていく。
水と石と根気さえあれば、獣を刺し殺すくらいわけない鏃が小学生にもつくれる。
社会の授業で一度覚えてから、僕はこの作業にはまっていった。
趣味、「鏃作り」。
今思えば、なかなか格好良い小学生だったじゃないか。

それから十数年後の今日、
こねて、丸めて、繋げて、なめして、開けて、飽けて、またなめして、
「埴輪」をつくってきた。
稽古の一環として、ヨバヒメンバー全員で埼玉県さきたま古墳群に古墳巡りと埴輪つくりにいってきたんである。
古墳巡りに埴輪作り…。
心躍らないはずがない。

おおい、はにまる、はにまる王子〜
いつもふふふふ、ふふふふヒンベイ
お腹が空いたな はにゃっふにゃ
ふふふふふふふふ はにゃっふにゃ〜
笑顔と笑顔がごっつーんこー

記憶も曖昧になったはにまる王子を口ずさみながら陽気に粘土をこね、土台をつくる。
が、これ、なかなか難しい。
僕はお香立てにもなるサボテンのような埴輪をつくろうと思ったのだが、なかなかどうして思うようにはいかない。
土は自由に形を変えるが、自由すぎた。
埴輪に官能的なくびれをつけてやろうと思ったら、
どんどんひん曲がりひび割れていく。
「工作」にプライドを持つ僕としてはすごく悔しい状況だ。
隣の子の埴輪がこれまた素晴らしいと、これまた悔しくなっていく。
よし、こうなったらいっそのこと、曲げれるだけ曲げてやれ。
ということで完成したのはあっちゃこっちゃとマガッタ埴輪。
かなり腰がくびれているので、今にも崩れ落ちそうなバランスの悪い埴輪である。
それでもお香だけは立てられるようにと、葉っぱのようなモノを頭に乗せた。
まあこれで現代アートくらいにゃなったろう。

ん。
いやちょっと待て。
どうせなら、と鼻や口を排除し、目を二つ適当なところにつけたこの埴輪、実はなかなか可愛いくないか。
あ。
やっぱり。
このくびれ、このしおらしい手、この愛くるしい目。
見れば見るほど可愛いじゃないか。
と、共演者の一人が言った。

「あははは、タカシ君のすごい!」
「でしょ!でしょ!どう!?」
「すごい気持ち悪い!」

でしょ、でしょ。
それでいい。それでいい。
もうそれでいい。
僕の墓にゃ、こいつを入れてくれ。

一月後、気持ち悪いこいつが我が家にやってくる。
だから僕は、一月後が楽しみなんである。
現代アートかどうか、
可愛いかどうか、
それは一月後、あなたが写真をみて、決めてくれ。

P・S 僕の予想だと50パーの確率でこいつは乾燥の時点で崩れ、焼き場までもたない。
そうしたらこいつを埋葬する為の埴輪を作りに行かなければならない。


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