|
2007/04/09(月)
『#Last American Times』
|
|
|
僕たちはアメリカにやってきた。
“METRO time” (New York)
ニューヨークの地下鉄は一律$2。 旅行者にゃ分かり易くていい。
中盤も過ぎたある日、 僕は残金の計算をした。 女々しくボストンのロブスターを思い出す。 『本当はあと$80あったのに…』 いや過ぎたことだ、切り替えよう。そうだな、少なめにみて1日$18で生活すれば大丈夫だろう。 僕は駅に向かった。 グランドゼロに行こうと思う。 何度か買った地下鉄の切符。なのに僕は間違えて$20の『METROcard』を買っていた。 早速1日分の生活費が消えたことになる。 軽いめまいに襲われ、僕は一人『オゥマイガッ』とつぶやく。アメリカかぶれ、切符も買えない。 『あぁどうしよ…』 またロブスターを思い出す。 駅員に泣きすがっても答えは事務的な『払い戻せませんから』。 誰に当たっていいのか分からない怒りってのは誰にも処理できない。自分が悪いのだから。せめて改札を乱暴に通るくらいしか今の僕には出来ない。 ニューヨークはあと1日。10回も乗りはしない。 更に$20のカードには$4分のオマケがついていた。 やがてホテルに戻ると僕は無駄にふかふかなベッドに恨みを晴らす。 『オマケだけで十分だよー』 よし、吐き出したら切り替えよう。せめて明日はムダに地下鉄乗りまくったろうや。そう考えると楽しくさえなってきた。 え? 次の日、改札に行くと僕はメトロカードをなくしていた。 あああ!もう、もう切り替えらんない。
“Theater time” (ALLcity)
日本ツアー、アメリカツアーと毎日が初日みたい。 毎日胸を破裂させ、なで下ろし、掻き毟る。 新鮮味だけはなくなりゃしない。
“Last time”
3週間。 率直に長かった。 そして僕らは明日日本に帰る。
4月1日は僕にとって大切な日なのだ。 18歳の4月1日、それは上京した日。 毎年この日は自分の為に過ごすことにしている。 この日に帰れるのが僕は嬉しいのだ。 そして気付く。 僕らが東京に着いたときには時差でもう、4月2日じゃん。
何も出来ない飛行機の中、24時間もない今年の4月1日はアメリカを思い返すことにした。
『いやあ疲れた旅だった。次はこの疲れを癒す旅にでよう』
という間に
たっだいま! 《See You Next Trip・by・NakamuraTakashi》
|
|
|
|