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2007/04/22(日)
『東京、旅行、良好』
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『……んんん』
地図を覗きこむと、もう分からない場所にいた。
今、どこらへんだ?
標識通りに進んできたから、『多摩湖周辺』のはずである。 でも山の中に入ると東西南北が分からなくなる。
どこらへんだ、ここ?
僕はおんぼろバイクでアップダウンを繰り返す。 急勾配、急カーブ、赤いアスファルトがこんもりと盛り上がって列をなし、ガタンゴトンとバイクを揺らす。 交通量もぼちぼちあるから、結構怖い。 とにかく、適当に走った。
東京 埼玉 東京 埼玉
さっきから都と県を行ったりきたり。
と、やがて道が開いた。 そしてそこには警察が待っていた。 あぃたー。
『ピーピッピーッ』
あぁやっぱり。 この道は二輪車進入禁止なんである。 薄々気付いてはいた。 バイクで走るにゃ道が激しすぎる。
ところで僕はどこから禁止区域に入ったんだろう。
『えー、標識ってありましたぁ?』
罰金を逃れようと思って言った訳じゃない。 本心である。 本当に分からなかったんだ。 その証拠に隣ではおばちゃんも同じように訴えている。 ハイキングにでも行きそうなおばちゃんが『えー、どこにあったのかしらー』と警官に訊く。
と、いうことで警官4人とおばちゃんと僕、6人のドライブが始まった。 20分弱のパトカードライブ。 運転席と助手席には二人の警官、二列目には僕、その両脇には二人の警官、三列目にはおばちゃん一人。 んん、なんだか僕だけすごく悪いことをした気分だ。 丁寧に赤灯までつけるから、連行されてるみたいじゃないか。 でも反面、車内はすごく朗らかなんである。 おばちゃんや警官さんの人柄か、なんていうか、正直、楽しい。 『今日暑いねー』やら『もうそこ多摩湖だよ』やら緊迫感はない。 やがて着いた場所には分かりづらく進入禁止の標識が立っていた。 警官のおじちゃんが標識を指差し、すまなそうに言った。 『分かりづらいだろうけど、うちらはやっぱ切符切らなきゃいけなくてねぇ』
やがておばちゃんと僕は大人しく免許証を差し出した。
『おばちゃん気ぃつけてー』 『あなたもよー』
今日は多摩湖と狭山湖、湖巡りをした1日なんである。
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