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2007/03/02(金)
『セノビ』
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小学生だったか中学生だったか、それは定かじゃないが、僕は急に『お母さん』と呼ぶのが恥ずかしくなった。 今でも『お母さん』と口にしてみるとなんやら胸がわしゃわしゃとする。 変な自立心に憧れていた僕は『お母さん』という言葉にどこか甘えたニュアンスを感じていた。 かといって『おかん』や『おふくろ』ではキャラが合わない。『ママ』…?それも違うな。 それから僕はお母さんのことを『母』と呼ぶことにした。『母』。とてもいい。自分も母も個である気がする。
きっと最初は母も違和感があっただろう。ましてや母に『今日から母と呼びます』なんて説明しなかったし。 母の気持ちを考えると、甘たれ息子が突然『母』と呼んできたら、少しショックかも知れない。佐藤さんが加藤さんと呼ばれるくらいショックかも知れない。 でも僕は浮かれていた。 『これがうちの母です』 よく聞きはするが、本人に呼び掛ける人はあまりいない。 この界隈で『母』と呼ぶのは僕だけかも知れない。 これで一歩自立に近づいた。 背伸びして、勘違いして、浮かれていた。
それでも呼び続けると、次第に慣れてくるもんで、僕は今でもずっと母を『母』と呼んでいる。でもたまに『アサちゃん』と呼ぶときもある。 自立ってそういうことじゃなかったんだね。
毎朝親父に次男坊のブログを読んであげるうちの母。 読む母の顔も聞く親父の顔も容易に想像できる。
今日はうちの母の誕生日である。
プレゼントは用意出来なかったから、いつか東京タワーにでも案内するよ。
おめでとう!
次男坊
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