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2007/03/21(水)
佐藤文四郎とみすず
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僕が勝手に朋輩と思っている山主氏からの依頼を受け、没個性の須賀則光がお送りいたします。 タイトルに持ってきましたこの二人。童門冬二先生の著作「上杉鷹山」に出てくる登場人物なんですが、この二人のワンシーンがとても印象的だったのでここに書いてみようと思います。 佐藤文四郎は上杉治憲(のちの上杉鷹山)に仕える男で、みすずは治憲の妻、幸(よし)の奥女中でございます。 治憲は16歳にして、米沢藩を継ぐことになったのですが、豊臣、徳川の時代に領地を替えられたり、削られてしまったにも関わらず、現代で言うリストラを行なわなかったために財政が逼迫し、破綻寸前に追い込まれていました。そこで治憲は、米沢藩の大改革を決意するんですが、それは当時の常識からみればとんでもないことだらけでした。さながら治憲はカルロス・ゴーンです(←嘘)。 改革の一環として、2〜300人いた奥女中も9人に減らされることになり、その煽りでみすずは解雇になります。そのみすずを孫の様に可愛がっていた紀伊という老女中は、自腹で雇うから何とかみすずだけはクビにしないでくれとお願いしますが、治憲の改革に例外はありません。結局、みすずはクビになり、それが理由で心を痛めた紀伊はすぐ死んでしまいます。それを恨みに思ったみすずは、ある日、治憲に対して直訴という暴挙に出ます。 みすずの恨みを静かに受け止める治憲。その場にいた佐藤文四郎は堪りません。ずっと治憲の傍に仕えている文四郎にとっては、治憲が財政を建て直すこの改革をどれだけ心を痛めつけながら行なっているかを知っています。それを知らないみすずの身勝手さ。 文四郎はついにみすずをグウで殴り飛ばします。
「あなたは馬鹿だ!!」
文四郎の台詞です。この美しさ、わかりますか?こんな芝居が創ってみたいものだなと思う、今日この頃です。
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