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2007/10/11(木)
『部屋』
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山主君の家に用事があった。
ということで森山君と二人、彼の家に向かった。 山主君とは長年の付き合いになってきたが、 彼の家に行くのは今回が初めてだ。
埼玉県にある彼の家。 用事でもなければなかなか行く機会はなかった。
ということで今回の機会、それは木材をもらいに行く、ってことである。 2LDKと広々とした山主君家の一室は、物置になっているという。 彼の所属する劇団S.A.Rが舞台を打つ度にパネルや平台、色んな舞台セットが彼の部屋に置かれていく。 して彼は木材に埋もれていく。 せっかくの広々とした部屋もそれじゃ台無しだ。 でも大丈夫。 見捨てない。 マガッタの人たちはそんな山主君を見捨てない。 ということで僕たちは木材をもらいにいった。 ありがとう。
山主君は自分の部屋を紹介する時、「汚いからひくよ」とよく言う。 社交辞令だろう。 さて、どんなもんだろうか。
ひいた。 森山君なんかはあんま気にしないようだが、僕は見事にひいた。 とっちらかった部屋ならまだいい。 見た目なんかどうでもいい。 匂い。 匂いがダメなんだ。 なんていうか、胃がムカムカするような匂い。 部屋中が半乾きのような匂い。
「主さん、なんすかこの匂い!窓開けましょう!窓! ・・・・開いてるし」 「タカシ、そんな時はタバコ吸うとあらびっくり、匂いが消える」
あらびっくりじゃない。 もうとっくにびっくりしてる。
僕の家は狭い。が整理されている。 山主君の部屋は広い。が整理されていない。 四畳半一間の僕の家と、六畳+四畳半+五畳台所の山主君家。 なぜか広いのは僕の家だ。
そんなことを考えていると、なんだかイライラしてきた。 せっかくこんなところに住んでいるのになんでお前はこんなに汚すんだ! ほら、そこの物をちょっとまとめれば、あと3歩は歩けるじゃないか。 ほら、そこの、そこのをどければ、ほら!こっちは2歩も広がる。
テレビを真剣に見ている山主君と森山君、 僕は隣でそんなことを考えていた。 無人島一週間生活なんてどうでもよかった。
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