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2005/10/10(月) 06:出逢い

「拾った」
「・・・・・・・・・・」

彼女の腕に抱かれているものを見て、俺は頭を抱え込んだ。

これで一体何度目だろう。新たな出逢いを拾ってくる彼女は、出会うことの天才かもしれない。
なんせこんな俺と出会ってくれたのだから・・・

そんな考えに今の現状から現実逃避のように浸っていると、
小さく「わん!」と可愛らしく鳴いた白い犬の頭を彼女は笑顔で撫でていた。
そうして決まって次にこう言う。

「マーナには内緒な?」
「・・・・・・・・・・・」

こういう時、いつも俺は無言を返す。
マーナに内緒だと言いながらも、いつもばれてしまうのはカガリが原因だ。
けれどそれを言ってしまえば彼女は決まって可愛く怒り出す。
今日は思い切って今まで思っていたことを聞いてみた。

「どうして俺には言うんです?」
「だっておまえ私に甘いもん!」
「・・・・・・・・・・・・・・・」

やられた。ばれてしまっているではないか。

なんだかんだ言っても最後に彼女の意見に従うのはいつも俺。
甘いのは自覚している。それだけ彼女を好きでしょうがないのだ。


「・・・・名前はなんですか?」

喜びか諦めか、もはやわからない複雑な感情で聞いてみた。
そうすればいつものように決めたばかりの名前を元気よく教えてくれる。

「シロ2世!」
「・・・・・・・・・・そう・・ですか・・・」

相変わらずのこのネーミングセンスには色んな意味で脱帽する。

白いからシロ、はこれで2匹目だ。しかも血のつながり関係なく白い犬2匹目だから2世か・・・。
名前を呼ばれたシロ2世は、新たな主人となった彼女の声に、同じくらい元気よく「わん!」と鳴いた。
それガ嬉しかったのか、何度もその名を呼んで白い柔らかそうな頭を撫でる、カガリ。
そしてまた嬉しそうに鳴く犬。

その犬は絶対オスだ、と、妙な嫉妬心が湧き上がった子供の俺は、犬っころに向かって宣戦布告。


「・・・アレックスを1番可愛いがってくださいね?」


瞬間、熱を持つ彼女の頬。

ほら、おまえには彼女をここまで紅くすることなんてできないだろう?
そう少しだけ思ってしまった俺は、もうどうしようもないバカだと自覚しつつも、
今日もこの新たな出会いに嫉妬するのだった。


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