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2005/01/07(金)
突発SS。13話前に載せてみる。
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↓更新・感想遅れまくりでごめんなさい&Ring感想たくさんありがとう突発SS↓ ねたばれありご注意 さぁ、誰のお話かな〜? ----------------------------------------------------
Ring -Another Ver-
「あの子の結婚が決まったみたいだぞ」
事の重大さを感じさせない言い方。彼からでた言葉はいつもと変わらないものだった。 昔は、砂漠の虎なんて恐れられていたのに、こうやって接してみれば そんなことをすっかり忘れてしまうほどだ。 そして今、彼が言ったあの子、というのが私は誰だかわかっている。 私が忠誠を誓うことを決めたあの少女だ。
「さて、どうする?」 「どうするって・・・」
あの少女には、想い合う相手がいる。 その子との結婚なら、私は自分のことのように喜ぶだろう。 でも、相手は間違いなく別の人間だ。 それは私にとっては痛みでしかない。 あの少女が2年前、私の痛みを同じように感じてくれたように・・・
2年前・・・ 戦争が終戦を迎えた時、愛するあの人を失った私は自分自身の存在を消す覚悟があった。 どんなにこちらの意見が正しいとしても、地球軍を裏切ったことは事実なのだから、軍人としてそれがどれほど重い罪なのかも理解していた。 理解していたからか、あの時の私には後悔なんてなかった。 このまま地球軍のもとたとえ極刑に処されても、あの人のもとへいけるのなら・・・ それが私の幸せだと言い聞かせていた。
それなのに、彼女は言った。
「死んでアイツが喜ぶと思うのか!?」
そんなのは私だってわかっている。 だけどどうすることもできないのに、どうすればいいのと怒りをぶつけてしまった。 自分をおしつぶす恐怖ゆえに、まだ幼い少女に私はひどいことをしてしまったと今でも強くあの時の出来事は心に残っている。
「私がなんとかしてみせる」
当り散らした私を受けとめて、そう言ってくれた。
「だから、生きろ。そして幸せになるんだ」
その言葉は、なぜかあの人の言葉のようにも聞こえた。 そして私はただ泣いた。
それから彼女は私をはじめクルーのために走りまわってくれた。 自分の国のことだけでも大変だろうに、 その手をたくさんの人に差し伸べた。
私はその手を受け取った。 生きる、と決めた。
「さて、どうする?」 「どうするって・・・決まっているわ」
また追われる立場になるかもしれない。 砂漠の虎も覚悟してるのか不敵な笑みを浮かべている。 その微笑が言っていた。 私の意見など聞かなくても、本当はわかっているって。
あの日、私は誓った。 あの少女のように生きると。
感じた痛みを同じように受けとめ、喜びは二重にし、 全ての人に手を差し伸べる。
あの少女のような生き方。
そしてそれは、 私が愛したあの人と同じ生き方。
「行きましょう。カガリさんを助けに」
差し伸べる手は、いずれ大きな輪になるから・・・
そうでしょう、ムゥ?
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13話前に載せたかったんで。 まぁ、マリューさんの決意ってことです。
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