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2005/03/07(月)
栗原貞子さん
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私は毎日朝電車にのっていくときに新聞を読む。 今日の朝の新聞には原爆詩人栗原貞子さんが死去したというニュースがのっていた。 そして、そこに彼女の書いた詩ものっていて。 朝、この詩を読んでなんだかすごく胸が痛くなった。 追悼の気持ちをこめてここに書いておきたいと思った。
生 ま し め ん か な
こわれたビルディングの地下室の夜だった 原子爆弾の負傷者たちは ローソク一本の暗い地下室を うずめていっぱいだった 生ぐさい血の匂い 死臭 汗くさい人いきれ、うめきごえ その中から不思議な声がきこえてきた「赤ん坊が生まれる」というのだ この地獄の底のような地下室で 今 若い女が産気づいているのだ マッチ一本ない くらがりで どうしたらいいのだろう 人々は自分の痛みを忘れて気づかった と「私が産婆です 私が生ませましょう」と言ったのは さっきまでうめいていた重傷者だ かくてくらがりの地獄の底で 新しい生命は生まれた かくてあかつきを待たず産婆は 血まみれのまま死んだ 生ましめんかな 生ましめんかな 己が命捨つとも
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