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2019/01/19(土)
岡山県庁の試験を受けることに
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3年生になると進路指導がある。わたしはまだいいかげんな気分ながらも防大受験をあきらめてはいなかった。第一志望は岡山県庁であり、防大にも行きたいと秘かに思っていた。子どもの頃に見た双胴のロッキードの雄姿が頭の中にいたのである。防大に行き、飛行機の操縦を学び、航空自衛隊に行けたらいいのにと秘かに思っていた。父が船乗りなので海上自衛隊という選択もなくはなかったが、やはり空自であった。N君は陸上自衛隊だとはっきりしていた。彼は望み通り、防大に行き、後々**方面部隊長になったと風の便りに聞いたが、その時、「ああ、望みが叶って良かったなあ」と思ったものである。進路指導の時、歳森先生が「どうする気だ?}と聞くので、岡山県庁と防大の話しをしたところ、先生が「あと少し頑張れば京大が可能になる。なんとかならないか?」と聞かれた。しかし、家庭の事情で無理だと答えた。「ご両親と話してもいか」と聞かれたが、父のことは(ホントの親じゃないからとも)言えずお断りした。その時「防大は授業料がなくてとてもいいのだが、しかし、君の身長がぎりぎりなので行ってから苦労するよ。それでも行くかい?」と言われた。歳森先生が何故防大受験に否定的にこだわったのかはわからないが、思想的な理由によるものか、他の理由によるものか、わからないけれどもわたしのことを思ってのことだと思い、わたしは防大受験をあっさり断念した。このことは今でも心の片隅に「お前はなぜなんでもすぐにあきらめるのだ」という悔悟の蛇がうずくまっている。しかし、いずれにしても岡山県庁が当面の主役となった。県庁の試験を受けるのはわたしと森田君の2人だけであった。
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