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2019/01/10(木)
親父の血液型はAB型?
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なにせ防大はお金がかからない。それがわたしの防大受験を考えた最大の理由であった。しかし、N君は違っていた。「俺は日本を護るために防大に行くのだ」と言う。同じ防大志望でも心構えが違う。天と地の差である。剣道も本気でやっていた。T君は3段だったが、T君ほどではないがメキメキ腕を上げていた。中学時代の同級生のM君も3段であった。T君は軽く軽快な剣道であり、M君は重厚な剣道であった。わたしはずぼらを決めていた。このわたしの”イイカゲン壁”はどうも死ぬまで治らないようだ。確固たる意志と決意がないのだ。だから、大志もなければ、人生の目標もない。ただ、川に流れる枯れ葦のようにふわふわ流されているだけなのだ。だが、わたしの心の奥底の言い分は「だって仕方ないじゃん。家にゃ金がないもの」である。わたしはそのため中学校と高校の修学旅行も行かないでキャンセルした。修学旅行の思い出は小学校だけである。奈良の猿沢の池はよく覚えている。さて、こうして決意した”授業を真面目に受ける”ことから意外なことが分かった。生物の授業であるが、血液型について学んだ。血液型にはA型、B型、AB型、O型の4種類ある。A型にはAA、Aa,AO,Aoがあり、B型はBB、Bb,BO,Boである。AB型はAB,Ab,aB,abであり、O型はOO,Oo,(oO),ooである。そのため、AB型とA型又はB型の両親からはO型の子は生まれないという。わたしはoo型である。スモールOなのだ{えっ!?じゃあやっぱりわいは親父の子じゃないってことか。そうじゃないかと思っていたがやっぱりそうだったか。でも、それじゃあ、わいは誰の子なんだ?おふくろには親父以外の男がいたってことかい?おいおい、何てことだ。おふくろは自分はB型、親父はAB型だと言っていた。これは間違いない。船員手帳で確認したと言っていた。だとすると、わいは???誰の子?」と思った。だが、”いいかげん壁”も時には役立つこともあるのだと思う。「まあ、いいや、親父はわいを食わしてくれたんだし、こうして高校にも行かしてくれている。有難いと思わなくちゃ」とこの件をわたしは父が亡くなってしばらくするまで心の中に封印してしまっておいた。そして、わたしは大学に行かせて欲しいという気持ちも同時に封印して心にしまった。
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