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2018/09/17(月)
大石くん
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1年生のクラスではわたしの左隣の席はSさんというかわいらしい女性でした。今でも同窓会では彼女はどうしているかと話題になるほどです。わたしは彼女に特別の感情は抱きませんでしたが、成績が良く、かわいい彼女はみんなの憧れの的のようでした。同級生の話では(彼らは同級生のあれこれをよく知っていることにいつも感心させられますが)彼女の結婚生活はあまりよくなかったとのことで、同窓会にも出席したことがありませんから、その分だけ彼らの思いが深くなっているのかも知れません。それはともかくとして、中学校で知り合ったわたしの第一の親友は大石くんでした。彼の人間性のすばらしさはわたしには到底真似ができません。本当に優しいのです。わたしはどちらかといえばガサツですが、彼はとってもおっとりとしています。彼はお母さんと二人暮らしでした。お父さんは戦死したとのこと。しかし、暗さは微塵もありませんでした。お母さんの優しさが彼に丸ごと遺伝したのだと思えるほどです。そして、彼は人づきあいの天才だとも思えるのです。わたしに対してもわたしの心中に土足で踏み込むようなことは一切ないのですが、いつも傍にいて優しく接してくれるのです。今、思えば、わたしもこんな人になりたかったと思うのですが、もう遅いかも知れませんね。
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