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2018/08/27(月)
スズメを獲るぞ!
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東に行くと岡山南商業高校に突き当たるわが家の前の道路はまだ未舗装であった。風が吹くと砂塵が舞い、すぐに目が痛くなるのであった。特にカバヤのキャラメルで有名な林原の埋め立て地があちらこちらにたくさんあった。今では考えられないことだがギザギザの棘のあるアスガラなどで埋め立てられていたので目に入ると目が傷ついた。枝川に沿って北に行くと鹿田学区東古松であるが、獣骨の散乱した土地があった。しばらくするとそこに朝鮮学校が建設された。その先が岡山大学医学部及び大学病院であった。西に行くと大元駅の南に出る。枝川に沿って南に行くと富田である。枝川には鯉、鮒、ハヤ、うなぎ、あの大きな台湾ドジョウもいた。わが家の前の用水溝にもドジョウがいた。ドジョウやウナギは焼いて食べた。台湾ドジョウはかまぼこ屋に持っていくと買ってくれた。カエルや台湾ドジョウを大学病院でも買ってくれた。Yさん家の猫も持って行くとその猫も買ってくれた。次の日に、Yさんが「猫はもう殺されたじゃろうか。どうしよう?家の者が心配しだした」と言うので二人で「どうしよう」と相談していたところ、その翌日に猫が帰って来た。「あ〜〜よかった」と二人は胸をなでおろした。売られた猫は必死で解剖現場を逃げ出したのであろう。ある時、爺さんがスズメが食いたいという。そこで、Yさんとレンガを積んで仕掛けを作り、スズメを獲ろうとしていると、作業着の叔父さんがやってきた。「オイ、何をしようんなら?」「スズメをとるんじゃ」「スズメか。スズメならのー、焼酎か、酒に米を浸してやるんじゃ。おまえらみてーに米を置いとくだけじゃあとれんのじゃ。米を食ったらスズメが酔っぱらうじゃろ。そうすりゃー簡単なもんじゃ。やってみい。獲れたらわしにもくれろよ。焼いて食うとこれが美味いんじゃ」と言ってふらふら立ち去った。次の日から何日も何日もお爺さんの焼酎を盗んでは米を浸してやってみたがスズメは獲れなかった。酔っ払いもせず、仕掛けにもかからず、さっさと逃げるのだ。あの酔っ払い叔父さんに文句を言ってやろうと何日か待ち構えていたが、結局その叔父さんは現れなかった。
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