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2018/11/05(月)
おなら
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おならというものは女性にとっては特に恥ずかしいものらしい。ひと年取ると恥ずかしさは消えるようではあるものの。ある日のこと、いつものように学校から帰ると、「只今」「お帰り」といういつもの常套句が交わされる。店の6畳間には、姉(本当は叔母なのだが一緒に育てられたので姉と呼んでいる)と親戚の叔母たちとご近所さんがお一人いらっしゃった。わたしはお腹が空いていたのでうどんをいただくことにした。母の許しを得て店から茹でたうどんを一袋もらった。台所に行き、うどんを水で洗い、生醤油をかけたどんぶりを手に持って店に行くと何やらもめている。「臭!誰?誰がしたん?」と姉。異口同音に「わたしゃあ知らんよ」と他の人たち。母は何も言わずにいつものようににこにこしている。みなさんが「あんたじゃろ」「わたしじゃないわよ。あんたじゃろ」と言い合っている。そして、最後には、親戚の叔母に意見が集中した。「やっぱりあんたじゃろう」と。犯人にされた親戚の叔母はぷりぷりして「わたしじゃないのに」「また来るわ」と言って帰って行った。犯人が決まった後はまた美容院の話しやら・・・やら話題は尽きない。女性の強さはこの辺りにあるのであろうかと思われる。それはさておき女性にとっておならは特に恥ずかしいもののようだ。特に若い女性は。おならの原因は・繊維質のものをよく食べる・早食い・便秘などいろいろあるようだ。トイレで出すとすぐに後続者があると犯人が特定されるのでこれまた恥ずかしい。我慢をすればお腹が痛くなる。ガスの成分が再吸収されて血液によって運ばれ体臭や口臭が臭くなることもあるだろう。便秘になって大腸がんのリスクとなることがあるやも知れない。ならばどうする?やっぱり我慢せずトイレでこっそりする外はないのであろう。だが、みんながいる前で我慢できないこともある。この時の場合がそうである。母の様子を見ていたわたしはみんなが帰った後で母に尋ねた。「犯人はお母さんじゃろ?」母は「そうじゃ」と答えながら相変わらずにこにこしていた。みんなに犯人とは思われず、犯人が別の人に特定されても終始ニコニコしていた母は(やっぱり人が悪い人だ)と思わざるを得なかった。
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