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2018/11/03(土)
柔道部への入部を断る
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「オイ!田畑はおるか?田畑!?出て来い!」授業が始まって幾日か経った後のことである。上級生が4,5人わたしの教室に入ってきた。教室の他の生徒たちは驚いた顔をしている。女生徒の中には怖がっている者もいた。わたしは怪訝な思いで手を挙げた。「ちょっと出て来い」と喧嘩腰である。わたしはこの態度にむかむかしていた。「こいつらは一体何者じゃ」と思っていた。そんな気持ちは当然わたしの態度に反抗心を現していたことであろう。内心を表情に現すことは時によっては役に立つが大抵の場合は思わぬ事態を招くものだ。すると「オイ、田畑。田畑というのはお前か!?」と聞く。(なんだよ。こいつら偉そうに)とわたしは思う。チビのわたしから見ればとてつもない大男たちがわたしを見下ろしている。「ええ」と答えると「どうして、部室に来て入部を申し込まんのじゃ!?」と聞く。(ああ、こいつらは柔道部か?)とわたしはやっと気づいた。{それで?」「田畑!お前は柔道部に入れ」「・・・・・」わたしのムカムカした気持ちが反発心を呼びだしていた。入れ、入らないとのいくつかのやりとりを経た後にわたしは「入らん!」と大声で強く答えた。その後も何度か入れ、入らんとのやりとりを経た後、彼らは怒った様子で引き上げた。わたしの気持ちの中に何だか得体の知れない空白が生じていた。いずれは柔道部に籍を置こうと考えていたのに思いがけない事態で柔道部に入らないことになったのであった。(はてさてどうしたものか?彼らは善意で柔道部の入部を勧めに来たのであろうが思いも寄らないムカムカで入部を断ってしまった)。さて、ここからがわたしのイイカゲンなところであるが(まあ、しゃあないや)と気持ちを落ち着かせた。そして、内藤校長は操山高校に来たからには必ず部活をせよとおっしゃっていた。(何かはせにゃならんなあ)と思う。こうしてこの日から数日経ってからのことではあるが、剣道部に入部することにしたのであった。
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