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2018/10/11(木)
今の目の前のことにも集中しろよ!
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しかし、一年生からやり直すとしてもどうしたらいいのか?有難いことに教科書は母が捨てずにとっておいてくれた。ピンサラだ。問題は時間である。朝5時に起きて市場へ行き仕入れをして帰る。朝食をとってから学校へ行く。授業が済んだら部活の練習。夜は金光道場へ。さてどうしたものか?と悩んだが、(そうだ。学校でやろう)と思った。人という者は決意をすると自ずと道が開けるように出来ているのであった。しかし、わたしが医者になろうとか、学者になろうとかそういう人生の目標と決意を持たなかったことはわたしの最大の欠点ではあったが、そのことは今現在の悩みとは無関係である。とにもかくにも一年生から勉強をやり直す決意をしたのであった。こうして2年生の授業中に一年生の教科書を読むという奇妙な授業が始まった。当然、現在行われている授業にはまったく集中していない。だから先生の方も(こいつ何している!?)と気になる。わたしは邪魔していないつもりでも先生の方から見れば(こいつめ!)と気になったであろう。しかも、時々寝ているのだ。なおさら、(こいつめ!)と思ったであろう。ある時、「タバタ!これは何じゃ!?」とわたしの教科書をとりあげて怒鳴った。「一年の教科書です。安井先生が言われたとおり一年からやり直しています」とわたしが答えたところ、「後で職員室へ来い」と言った。放課後、職員室へ行くと、先生は安井先生から経過を聞いたのであろう。あまり込みいった説教はせず「なあ、田畑。今、目の前のことに集中することも必要だぜ。そうしないと穴倉に落ちちゃうぞ」とだけ言った。しかし、わたしはわたしの勉強法を続けた。このことが思わぬ事態を引き起こすことになろうとは夢にも思わず。
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