たばたけんじの日記 (田畑 賢司)
元 岡山市議会議員 田畑けんじ の日々思うこと…
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2017/09/14(木) 魚の小骨(47)核兵器が平和をもたらす?
天才って何だろう?飛びぬけた能力を持つ人のことだということは分る。しかし、人類の為になる人かどうかは分からないのではないだろうか。また、造られた演出ということも有り得る。身の丈以上の触れ込みでデビューした際の悲劇は言うまでもないであろう。自分がいつ蹴落とされるかとの疑心暗鬼が殺人を呼ぶ。まるで高句麗時代をほうふつとさせる事態が北朝鮮で繰り広げられてきた。そして現在も繰り広げられている。居並ぶ高官や兵士たちの勇壮さ。北朝鮮人民の婦人たちの歓迎の踊りや笑顔。戦前の天皇制帝国日本の大政翼賛会や国防婦人会を思い起こさせる光景である。権力に媚びなければ生きられない勇壮さや笑顔ではないかとも思える。自分ではそれに気づかない人も多いと思えるが。金正恩は「軍事の天才」という触れ込みで登場した。祖父と父の権威を羽織って。そして念願の核ミサイルを手にした。あるいは手にする寸前かも知れない。その彼は演説をこう締めくくった。「強力な国防力、戦争抑止力で敵どもが膝を屈するようにさせ、祖国の平和と安全を守護し、経済建設と人民生活向上のための闘争に資金と労力を集中できる有利な条件をつくらなければならない。そのようにしてわが人民たちが軍事強国、核強国の徳を受け、子々孫々、幸福を共有しなければならない。その日は遠くない。その日はわれわれの目の前にある」と。「安保条約によるアメリカの強力な国防力と戦争抑止力で北朝鮮やロシア、中国など社会主義的諸国やテロ国家やテロ集団が膝を屈するようにさせ、日本の平和と安全を守護し、経済建設と国民生活向上のための取り組みに資金と労力を集中できる有利な条件をつくらなければばらない。そのようにして日本国民が防衛力の強化と米軍の核の傘の下の徳を受け(防衛費の増額や辺野古の米軍基地建設・全国の米軍基地保有の費用は日本が受け持ち)、幸福を共有しよう」という安倍自公政権の意見と国は違えど何ら変わらない見解です。違うのは北朝鮮が言う米帝グループ対日本が言う中露北グループという枠組みの違いだけです。金正恩と安倍晋三の思想は根底で同じなのです。安倍晋三氏も祖父の思想と権威を身につけているのです。この枠組みの対決を無くさせることが日独伊3国同盟を締結して世界を敵にまわした太平洋戦争で敗北し、唯一の被爆国となった日本の果たすべき役割ではないかとわたしは思う。金正恩が同じ道を誤らないように助言できるのは日本だけではないかと思う。さて、金正恩・北朝鮮が「核兵器を持たなければ」と決意したイラク戦争、リビア内戦とはいったいどんな戦争だったのだろう?

2017/09/13(水) 魚の小骨(46)核兵器は人道上許されない
今日は晴天に恵まれたが週末は台風18号が近づいてきたので大雨になるかもしれないという。まだまだ残暑が厳しいものの秋だなあと思う。草刈りをしているとあちらこちらに曼殊沙華がにょっきりにょきにょき頭を出している。中国の大手4銀行が北朝鮮に対して口座の取引制限をしたことが9日に分かった。こちらもホットな話題である。国連安保理とは別の中国独自の制裁だとのこと。北朝鮮人名義の新規口座開設や既存講座からの送金などを一部取引停止にしたことにより北朝鮮側の支払いが困難となり中国からの石油輸出が急減したようだ。中国としても北朝鮮の核開発は脅威となるようだ。一方、政権瓦解による難民問題も頭痛の種であろう。ところがロシアのプーチン大統領は意に介していないようだ。北朝鮮の建国記念日に祝電を送ったという。日本はどうか?日本は何もせず北朝鮮問題を利用して軍事費を増やそうとしているだけである。防衛省の概算要求は5兆2551億円にも上っている。世界で唯一の核被爆国日本が「核兵器は容認できない。北朝鮮が保有するべきではない。人道上許せない行為だ」というメッセ―ジさえだせない安倍自公政権の体たらくである。この事実は将来日本も核兵器を持ちたいと思っているからに違いない。こうした状況の中で北朝鮮は国連の制裁決議に対し「米国に最大限の苦痛を与える用意がある」と脅しをかけている。金正恩の昨年の演説の続きはこの脅しの裏付けとなる演説であった。未曽有の経済困難の中でも父は外資導入に反対したとのエピソードをあげながら「幹部や党員、勤労者を自強力第一主義で武装させてこそ、事大主義や輸入病(輸入への依存)を根絶やしにし、社会主義強硬建設で現れるあらゆる問題を解決できる」と。本当に彼はそう信じているのであろうか。そうだとすれば小児病であろう。世界で孤立して生きるには正義がいる。だが、北朝鮮の核開発に正義はない。人道上許されない行為である。社会主義を強硬に建設?社会主義が人道上許されない行為をしてはならないはずである。しかるに彼は祖国の間違った未来を次のように描いて見せた。

2017/09/12(火) 魚の小骨(45)米帝侵略には全民抗戦で
昨夜来降っていた雨が小止み、曇り空が広がっている。今日はなんとなく気が重い日である。国連安全保障理事会は「石油の輸出は昨年並みを上限とする。新規の北朝鮮の出稼ぎ労働を禁止する。海上での船舶の臨検」などの制裁決議を全会一致で今朝可決した。石油の全面禁輸と金正恩らの資産凍結を見送り(中国とロシアに配慮し)、アメリカが自らの主張を大きく譲歩することで全会一致にこぎつけたようだ。船舶の臨検は可能であろうか。軍事的対応が無ければ拒否されれば臨検はできないであろう。軍事対応をするとなれば「戦端を開く」ことにもなりかねない。臨検できなければ「武器や密輸品やその他の物資の運搬、売買などがこれまで通りにおこなわれる」ことになってしまう。この臨検は本当に難しい課題であるが、金正恩がどう出るかはこれからということになった。さて、昨年の金正恩演説から彼がアメリカをどう見ているのか!?を見てみよう。「敵どもは武器万能論だが、われわれは思想論を主張する。戦争勝利の決定的要因は党の周りに一心団結した千万軍民の政治思想的威力です。私は米帝侵略者どもが襲いかかってくれば、全民抗戦で受けて立てと強調してきたが、それは千万軍民の政治思想的威力で祖国統一を達成せよとの意味である。わが人民は明日すぐに戦争が起こったとしても恐れない。敵どもは厭戦思想に染まっているが、わが人民と青年学生は情勢が先鋭化するたび”首領よ命令のみ下されよ”という歌を高らかに歌い、敵を滅ぼす闘志をみなぎらせ、人民軍隊への入隊や復隊に嘆願している」と精神論で勝つのだと彼は言う。このフレーズはどこかで聞いたことがないだろうか。「全国民一丸となって総決起せよ。大和魂で敵を粉砕せよ」と国民に竹槍の訓練をさせながら、ゼロ戦、神風特攻や戦艦大和、戦艦武蔵の建造で戦意を高揚したかつての天皇制・日本という国に。言葉だけでも社会主義を標榜するならば彼我の力関係を冷静に科学することと国民及び地球上の人類の命を大切に守ることが前提であるはずである。北朝鮮が社会主義国ではないという証明ともなる彼の演説はさらに続く。

2017/09/11(月) 魚の小骨(44)敵の兵器は煮溶けたかぼちゃ
石破茂自民党元幹事長が6日テレ朝の番組で「米国の核の傘で守ってもらっている時に日本国内に核を持ち込ませないという議論は本当に正しいのか」と”米国の核持ち込みを議論すべき”と発言した。そして、ニュークリア・シェアリング(核の共有)について、NATOの一部の国が米国の核兵器を国内に配備し、米国の監督下で運用が認められていることを紹介した。わたしは彼の発言の意図が「北朝鮮の核の脅威があるのに日本は核武装しなくてよいのか。平和ボケもいいかげんにやめようではないか。非核3原則(持たず、造らず、持ち込ませず)にいつまで囚われるのか」という問題提起をすることで国民の意向を知ろうとする観測気球ではなかったかと思っている。日本の国民世論が核兵器持ち込み賛成派が多ければそうしようということであろう。一方で、小泉自民党元首相は福井県小浜市で「原発を止めよう。日本国民に向けた原爆と同じではないか」と北朝鮮のミサイルが原発を狙えば原爆になると注意喚起した。岸信介元首相(安倍晋三首相の祖父)は安保改定時の約束で沖縄での核配備は不問とした。今でもその状況は変わっていないとわたしは思っている。また米艦船や潜水艦に核を装備して持ち込むことは日本国民に知らされないようにしているのではないかと思っている。小泉氏の意見にはわたしは賛同する。さてこのような日本国内の「核の準備を」「原発止めよ」の議論を呼んでいる北朝鮮・金正恩の演説は?というと「今日、わが国防工業は敵どもの殺人武器を煮溶けたかぼちゃのように踏みつぶせる精密で威力ある武器を続けざまに開発している。われわれの国防工業は敵どもがうそぶいている軍事技術的優勢(論)を紙屑のようにしてしまった」。そこでこうした成果を「宣伝部門で出版物や教育ネットワークを通じ、紹介する事業を構成的に繰り広げなくてはならない」と発破をかけている。しかし、米国の軍事力は金正恩が指摘する煮溶けたかぼちゃのようなものであろうか?軍事専門家は米国と北朝鮮の兵力差をドーベルマンとスピッツと例えたがわたしもそう思う。オバマ前大統領、トランプ大統領(つまり、民主党も共和党も)ともに「米国は世界の警察ではない」と主張したが、米国経済の軍事に回せる予算の余裕がなくなっていることは明白である。されど、腐っても鯛である。どんなに贔屓目に見ても北朝鮮の軍事力とは比べものにならないとわたしは思う。が、しかし、金正恩はこの米国との軍事力の差をどのように見ているのか?次回はその辺りに触れた演説からご紹介しよう。

2017/09/10(日) 魚の小骨(43)草を食っても・・・
金正恩が祖父と父の軍拡路線を受け継いだ正当な後継者であることを「祖父が機関銃の工場で作った爆音が今は水爆の爆音としてこだましている」と強調した演説に続いて次に紹介したのが90年代半ば以降の大量の餓死者を出した頃のことであった。「わが人民は腰のベルトを締め、国防工業に資金を回すことに不平の一つも言わなかった。人民は党でやるといったことは無条件で正しいと信じ、党に従っていれば必ず生活がよくなる日が来ると信じ、わが党の領導を支持してきた。(現地指導で)ある家を訪ねた将軍さまが釜のふたを開けようとすると、小さな手で釜のなかの雑草がゆを覆い隠そうとした幼い子がいた。たとえ凍え死ぬようなことがあっても、将軍さまの懐を離れて他人の家の軒下へは絶対入るまい(中国や韓国への脱北はしない)と固く誓い、将軍さまの懐にさらに深く抱かれた人々がいた。そのような人々がまさにわが人民であった」と食料が不足する経済困難な時代であってもわが北朝鮮人民は国防工業を支えてきたと持ち上げている。まるでわが日本の戦前の「欲しがりません、勝つまでは」との軍国主義スローガンをほうふつとさせる話である。お寺の鐘や貴金属も「贅沢は敵だ」と供出させ、学校のグラウンドに芋を植え、食べるものが無くても我慢して戦争を継続したあの大東亜(太平洋)戦争を思いおこさせる話である。つまり彼は今後も「核弾頭搭載のミサイル開発費用、そのミサイルの大量生産のための費用を含む軍事費をわが人民は暮らしは苦しくとも支えてくれる」と言っているのである。ここにプーチン大統領が「北朝鮮は雑草を食っても核ミサイル開発をあきらめないだろう」との発言の根拠があるようだ。金正恩は「だからこそ、核実験を繰り返し、ICBM(大陸間弾道弾)、SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)などの開発が進み、核弾頭が搭載できるミサイルの完成も視野に入ってきた(1年前には完成していなかった)と続けている。毎日新聞で(まるで小躍りするがごとく饒舌になる)と紹介している彼の演説の続きは次回に。

2017/09/09(土) 魚の小骨(42)核の爆音がこだまする
昨年、金正恩が党と軍の幹部を前にして演説を行った2016年3月6日における北朝鮮情勢はどんな状況だったのだろう?まず年明けに水爆実験と称して核実験をした。2月には「人工衛星」と称して弾道ミサイルを発射した。その結果、国連安全保障理事会が制裁決議をし、国際社会の圧力が増していた。そして、翌7日から史上最大規模の米韓合同軍事演習が行われようとしていた。その緊迫した状況下である前日の彼の演説のタイトル「自強力第一主義を具現し、主体的国防工業の威力を固めていかなければならない」は、自強力とは自力更生ということなので、「他の国々がわが国をつぶそうとしても自分たちの力で立ち上がろう。そのためには国防工業の柱である核兵器開発を進め、わが国の威力を固めよう」とわたしには読める。演説の冒頭は「敵どもがやいばを抜けば長剣を振り回し、銃を出せば大砲を出すのが、偉大な首領さま(金日成主席)と偉大な将軍さま(金正日総書記)が敵どもとの対決で終始一貫して堅持してこられた信念であり、意志であり、度胸です。・・・・・私も不屈の信念と意志、度胸で敵どもの強硬(姿勢)には超強硬で堂々と立ち向かっている」と、国防工業の歴史は祖父と父の歩みと同じだと主張している。そして、「首領さまが工場でできた初の機関銃で響かせた銃声は、今日の国と民族の自主権と尊厳を固く守る核爆弾、水素爆弾の巨大な爆音となってこだましている」と解放直後の1945年10月に金主席が平壌に機関銃工場を建設したのが国防工業のルーツだと紹介している。なお祖父を補佐した父、金総書記が70年代から国防工業を最先端水準に引き上げる重荷を背負い、先頭に立って闘ってきたと言い、金主席死去後の「苦難の行軍」と称する経済難時代を語っている。つまり、90年代半ば以降の大量の餓死者が出た頃のことである。次回はその項からご紹介しよう。*わたしが毎日新聞などが使用している金正恩氏という用語の氏を使わない理由及び金正恩労働党委員長という名称を使わない理由は彼がその敬意を払う必要のない人間であると思っているからである。ことに彼は労働党委員長という職名にふさわしくない全体主義者だとわたしは思っている。ビンのラベルが「労働党」と表示していてもビンの中身は労働者の党ではない。ヒトラーがナチス(国家社会主義ドイツ労働者党)という名称を使ったのと同じように。

2017/09/08(金) 魚の小骨(41)金正恩の秘密演説
今日は少し悩んでいる。明日は北朝鮮の建国記念日だから金正恩が「核実験か、ミサイルを発射する」という報道がしきりと流されている。核か?ミサイルか?それはわからない。そこで、安倍自公政権の「何故いま道徳教育か!」の続きをやるべきか、はたまた金正恩関連にしていったん横道に入るべきか、と。悩んだ末、横道に入ることにした。7日の毎日新聞「特集ワイド」に金正恩の秘密演説に係る記事が掲載されていた。これにより北朝鮮・金正恩の思惑の一端が知れるかも知れないと思ったのが理由である。その秘密演説は2016年3月6日に党と軍の責任ある幹部に対して金正恩がおこなったものだという。この秘密演説は朝鮮労働党機関紙「労働新聞」などには一切報じられておらず、この日の金正恩の動静報道もなかったという。それを何故今更出してきたのか?という疑問が残るのはわたしだけではないはずだ。毎日新聞の記事によると、演説から1年以上のブランクを経て出されたのは「人民に最高指導者の思いを伝える必要が出てきたからだ」とのこと。冊子の発行日は今年、2017年4月10日であり、表紙が緑色の小さな冊子で金正恩の生々しい発言が13ページにわたって記されているという。タイトルは「自強力第一主義を具現し、主体的国防工業の威力を固めていかなければならない」とされていて、冒頭から「米国とその追従勢力への敵意をむき出しにしている」という。今日の報道では日本も名指しで威嚇していたようだ。北朝鮮は今年北海道上空を越えるミサイルを8月29日に発射し、9月4日には6回目の核実験を強行した。なぜ金正恩は核とミサイルにこだわるのか。ロシアのプーチン大統領が指摘するように「小国が生き残るには核兵器を持つ以外には方法がない」を国是としているのか。毎日新聞は金正恩の核兵器に対するその執念を知る手掛かりになる秘密演説文だというが果たしてそうなのだろうか?

2017/09/07(木) 魚の小骨(40)道徳でいじめは無くなるか
3日続けて雨雲の来訪。うっとうしいお天気だ。道徳教育の教科格上げは1958年の道徳授業の導入以来議論され、狙われてきた。2007年には提言もあり、格上げ議論がなされた。しかし「道徳で子供に成績(優劣)をつけるのはいかがなものか」との声が大きく見送られることになった。2011年秋、大津市の中学生がいじめを苦に自殺した。これを受けて(利用して?)「やっぱり道徳教育が大切だ」との議論が再燃し、2013年2月、いじめ問題の対応策をまとめた政府の教育再生実行会議が「道徳の教科」化を提言した。これを受けた中央教育審議会は2014年10月「道徳を特別の教科とする」ことを答申した。そして、文部科学省は2017年3月「道徳」を教科外授業から教科に格上げした。以上が道徳授業の教科への格上げの概略である。まさにいじめを人質にとっての道徳授業の教科格上げである。この措置に対して学校現場はどう受け止めていたのか?と言うと、北海道大学、秋田教育大学が行った2015年の調査によると、賛成は小学校教諭が18.8%、中学校教諭は21.3%であり、反対は小学校78.9%、中学校75.9%であった。現場の教師の意見は「ほぼ反対」であった。ここには現場の意見を無視しても道徳を教科としたい政府の強い意志と願望が見えてくる。生徒指導の困難さを抱える中学校の方が小学校よりも若干反対意見が少なかったもののそれでも約76%という高さであった。中学校の生徒指導には特別の配慮が必要であろうと思われるが政府はこれに対してはまともな対応はしていない。にもかかわらず、現場の反対の意見の多さに対して政府は「教科書を読むだけで授業を形骸化させている教師が問題だ」と応じた。文科省は「戦後高度成長を経て日本は大きく変わった。少子高齢化。携帯・スマホは世界中にリンクできる。ネットでのいじめなど道徳の教科への格上げは必要」との理由付けを発表。マスコミはこの意見、説明を大々的に取り上げたという訳である。それでは道徳の授業を「特別の教科」にしたら、「教科格上げの理由としたいじめ」はほんとうに無くなるのであろうか?道徳の授業を教科へと格上げしなくても東北や熊本での災害時には若者たちがボランティア参加を自発的にしている。そうした姿をみんなが共有できるようにすればよいのではないだろうか。

2017/09/06(水) 魚の小骨(39)道徳がついに教科に
防衛省装備政策課を防衛庁に格上げ(1800人体制)して世界に兵器を売り、自衛隊を真の軍隊にしようと軍備拡張を進めている安倍自公政権は国民監視を強める法律(共謀罪をテロ等準備罪という名前にして)も作った。また、国会で日報を隠すというゴタゴタが問題になったものの自衛隊の海外派兵をも可能にした。次の狙いはは何であろう?それは、人づくりではないか!と思える。うがった見方が過ぎるとの大いなる批判を覚悟して言おう。「道徳教育の教科格上げである」と。教科外であった「道徳」教育を今年3月文部科学省は「特別教科」に格上げした。特別な教科とした理由は他の教科のように「道徳」が数字で評価が出来ないために文章で評価するようにしたからとのことである。小学校は来年度2018年4月から、中学校は2019年4月(学校の判断では教科授業としてよい)から、4種類の教科書(小学校は低、中、高学年用及び中学校用)で特別教科授業が始められる。年間35単位時間である。道徳教育の起源は戦前の「終身」である。日露戦争で広瀬中佐が逃げ遅れた杉野兵曹長を捜して回るあの美談で有名になったあの「終身」である。戦後、マッカーサーが司令官として赴任した連合軍が「終身が軍国主義教育をする元となった」との理由で「授業の廃止」を命令したあの「終身」である。しかし、「近頃の若者は軟弱でなっとらん。挨拶もロクにできん。礼儀を知らん。これでは日本はよくならない。真の日本人を育てよう」と1958(昭和33)年、日本が主権を回復したのと合わせて「道徳の時間」が小・中学校で週1時間設けられることとなった。しかし、「戦前の終身の復活ではないか」「価値観の押し付けではないか」との批判は避けて通れない問題でもあった。

2017/09/05(火) 魚の小骨(38)防衛装備庁新設
北朝鮮はICBM(大陸間弾道ミサイル)搭載用の水素爆弾の実験に成功したと3日に発表した。約1年ぶり通算6回目である。国連安全保障理事会が緊急に開かれたが更なる制裁に中国、ロシアが賛成するかどうかは微妙で困難だろうとの見方が強まっている。小野寺防衛大臣は70キロトンとの試算を示した。韓国気象庁は約50キロトンと報道した。広島の原爆が16キロトン、長崎が21キロトンと言われているので広島、長崎の原爆と比べるとその3〜4倍の破壊力を持ったということになる。実験当日のアメリカの冷静さを見ると、トランプ大統領の「アメリカファースト」は今回の北朝鮮に対しても貫かれているようだ。しかし、安倍政権は北朝鮮の挑発を利用しながら着々と自衛隊を真の軍隊にする布石を打っている。その大きな第一歩が2015年の防衛装備庁の新設であろう。陸海空の装備担当を一本化したとはいえ、防衛省の外局として防衛装備庁を新設したのである。組織論的には違いはあるものの戦前の軍需省に相当する組織である。この新組織新設発表を受けて、海上自衛隊の大湊基地を初め防衛省にはアセアン諸国初め世界各国から視察が絶えないという。しかも、総勢1800人体制という大規模組織の立ち上げであり、防衛装備庁長官は事務次官級である。つまり、事務方のトップである。防衛庁が防衛省に格上げされ、防衛装備政策課がまとめていた装備関係を防衛装備庁とし、権限を内閣官房長官、内閣法制局長官、宮内庁長官、警察庁長官等と同格にしたのだ。そして、防衛装備庁に昇格した第一の仕事は2015年11月10〜11日の「防衛庁装備技術シンポジウム2015」を東京・新宿で開催することであった。陸上装備、航空装備、艦艇装備、電子装備の4部門に分けて装備品の展示をしたという(。このシンポジウムへの参加は無料であった。参加者のブログを見ると、陸上部門では、爆発物対処用不審物の捜索から爆発物処理までおこなう)や手投げ式偵察ロボット(投げて着地してからカメラ、車輪が作動する陸上走行小型ドローン)や化学剤遠隔検知機(ガスや化学剤をレーザーを使って検知する)に関心が寄せられたようであった。今では、この巨大組織が世界の軍関係者及び軍需産業との兵器売買の橋渡しをしている。そして、兵器の研究、米英欧などとの兵器の共同研究、日本の兵器産業との協働を行いながら日本の軍事力を高めていくという役割を担うこととなった。ここには自民党の党是である改憲目的が「日本の自前の軍隊を保有する」ことと同意義であると言えるであろう。また、日本はいつでも核ミサイルを創る能力を保有しているとの自負も見えてくる。

9月絵日記の続き


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