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2017/09/11(月)
魚の小骨(44)敵の兵器は煮溶けたかぼちゃ
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石破茂自民党元幹事長が6日テレ朝の番組で「米国の核の傘で守ってもらっている時に日本国内に核を持ち込ませないという議論は本当に正しいのか」と”米国の核持ち込みを議論すべき”と発言した。そして、ニュークリア・シェアリング(核の共有)について、NATOの一部の国が米国の核兵器を国内に配備し、米国の監督下で運用が認められていることを紹介した。わたしは彼の発言の意図が「北朝鮮の核の脅威があるのに日本は核武装しなくてよいのか。平和ボケもいいかげんにやめようではないか。非核3原則(持たず、造らず、持ち込ませず)にいつまで囚われるのか」という問題提起をすることで国民の意向を知ろうとする観測気球ではなかったかと思っている。日本の国民世論が核兵器持ち込み賛成派が多ければそうしようということであろう。一方で、小泉自民党元首相は福井県小浜市で「原発を止めよう。日本国民に向けた原爆と同じではないか」と北朝鮮のミサイルが原発を狙えば原爆になると注意喚起した。岸信介元首相(安倍晋三首相の祖父)は安保改定時の約束で沖縄での核配備は不問とした。今でもその状況は変わっていないとわたしは思っている。また米艦船や潜水艦に核を装備して持ち込むことは日本国民に知らされないようにしているのではないかと思っている。小泉氏の意見にはわたしは賛同する。さてこのような日本国内の「核の準備を」「原発止めよ」の議論を呼んでいる北朝鮮・金正恩の演説は?というと「今日、わが国防工業は敵どもの殺人武器を煮溶けたかぼちゃのように踏みつぶせる精密で威力ある武器を続けざまに開発している。われわれの国防工業は敵どもがうそぶいている軍事技術的優勢(論)を紙屑のようにしてしまった」。そこでこうした成果を「宣伝部門で出版物や教育ネットワークを通じ、紹介する事業を構成的に繰り広げなくてはならない」と発破をかけている。しかし、米国の軍事力は金正恩が指摘する煮溶けたかぼちゃのようなものであろうか?軍事専門家は米国と北朝鮮の兵力差をドーベルマンとスピッツと例えたがわたしもそう思う。オバマ前大統領、トランプ大統領(つまり、民主党も共和党も)ともに「米国は世界の警察ではない」と主張したが、米国経済の軍事に回せる予算の余裕がなくなっていることは明白である。されど、腐っても鯛である。どんなに贔屓目に見ても北朝鮮の軍事力とは比べものにならないとわたしは思う。が、しかし、金正恩はこの米国との軍事力の差をどのように見ているのか?次回はその辺りに触れた演説からご紹介しよう。
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