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2017/08/05(土)
魚の小骨(8)戦車は全国産化達成!
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ルポライター・桜林美佐氏が「自衛隊と防衛産業」という著書を3年前に並木書房から出版している。それによると、彼女は”防衛費の削減で日本の防衛産業はいま崩壊の危機にある。赤字にあえぎ企業の誇りと使命感だけで支えられる現状で台頭する中国に対抗できるのか?無知と偏見が日本の国力を弱め続けている”と嘆き、”日本の守りを真剣に考えよ”と力説している。それは日本国憲法第9条・戦争放棄条項及び世界平和をめざす考え方の違いでもある。その違いの論評はさておき彼女の著書で紹介されている戦車、護衛艦、潜水艦、戦闘機の現状を紹介しておきたい。彼女は兵器の国産化を視点としている。このことは防衛の制服組、政府、防衛産業群が国産化を望んでいるからだと思われる。まず「戦車」について。「戦車1輌に千社」といわれる戦車の製造に1300社が関わっているとのこと。三菱重工が主体であり日証1部上場企業がズラリと顔をそろえる。日本電気、ダイキン工業、豊和工業、旭精機工業、日本工機、住友重機機械工業、日本製鋼所、東芝、という具合にである。戦車は神奈川県にある三菱重工の汎用機・特殊事業本部で生産されているとのこと。戦車の歴史は61式、74式、90式、10(ひとまる)式だとのこと。数字は採用年だとのことであるから10式は2010年採用である。90式の砲身部分はドイツのラインメタル社のものを日本製鋼所がライセンス生産していたが、この10式戦車はすべて国産化を成し遂げたと誇っている。4年前の8月25日、陸上自衛隊が御殿場で富士総合火力演習を行い、雨模様の中、28000人の観衆が10式戦車の威力に歓声をあげたという。2000メートル先の目標物を畳1枚の精度で撃ち抜き、照準合わせはタッチパネル方式。熟練度が問われなくなったという。つまり、一定の条件さえクリアーすれば、誰でも兵士となり、戦車砲兵になれるということなのだ。
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