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2017/08/30(水)
魚の小骨(32)武器輸出解禁から3年
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2014年4月1日、安倍自公政権は「武器輸出3原則」を見直し、「防衛装備移転3原則」を閣議決定しました。あれから3年が経ちました。平和貢献、防衛協力の前進と自画自賛していますが果たしてそうなっているのでしょうか?旧3原則で武器輸出が禁止されていた国は(1)共産圏諸国(2)国連決議で武器輸出が禁止されている国(3)国際紛争当事国とされていました。しかし、運用に当たっては以前の宇野内閣のように原則禁止が基本とされていました。今回の新3原則は原則禁止ではなく武器輸出が前提です。ところが、安倍政権は(2)及び(3)を継承するから大丈夫だと大見得を切るのです。国民向けのゼスチャーとしか言いようがありません。新3原則では(1)の共産圏諸国が除かれました。旧ソ連が対象であると日米で取り決められていたのでしょう。旧ソ連が崩壊したのでその他の国はもう売ってもいいぞということでアメリカと相談した結果に違いありません。ミサイル防衛分野ではアメリカとの協力で認めた21分野も承継されました。厳格な審査をおこなう。武器を輸出した国が第3国へさらに移転する場合は日本の事前承認が必要だ。だから大丈夫だと言います。本当にそうなっているのでしょうか。審査はNSC (国家安全保障会議)で審査するというのですが、北朝鮮のミサイル発射について昨日開催されたあの国家安全保障会議です。首相と関係大臣と制服組の会議です。信用が置けるのでしょうか。例えば、「安全保障面での協力関係のある諸国との国際共同開発・生産」また「安全保障面での協力関係のある諸国との救難、輸送、警戒、監視及び掃海にかかる協力に関する移転を認め得る」とありますが、これではどこの国が良いのか、悪いのか、わかりません。北朝鮮の核ミサイル実射に対して共同歩調を執る中国、ロシア、韓国に対する武器移転はイエスなのか、それとのノーなのか?この規定の曖昧さから言えば、その時々の国家安全保障会議が決めればよいということにならないでしょうか。そもそも「安全保障面での協力関係のある諸国」とは何なのか?その時々で評価は変わり得るものではないでしょうか?例えば現時点での韓国・文政権はどうなのか?まったくはっきりとはしません。しかも、アメリカに売った武器はそこから先はアメリカの責任で処理と言います。つまり、日本は事前承認の審査はせず、お好きにどうぞ!ということだそうです。事前承認制は決めただけで「これほど厳格にやっているぞ」とのゼスチャーにしか過ぎないのです。
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