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2017/08/03(木)
魚の小骨(6)三菱
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最近「あっと驚いた」ことは三菱自動車が燃費不正問題で経営危機に陥った同社の立て直しのためにルノー・日産と提携し、その傘下に入ったことだ。三菱グループ内では処理できなっかったのかも知れないと思った。技術革新のスピードは御家だけに頼っていてもどうにもならない速さなのかも知れない。否、組織に胡坐をかいていたツケが回ってきたのかも知れない。いずれにしても三菱グループが抱えきれなかったということだ。その理由は三菱重工の売り上げが3%減、営業利益が半減(155億円)するという事態であったことと社運を賭けた純国産航空機 MRJが5度の納期延期に追い込まれ、開発担当の子会社・三菱航空機が債務超過に転落したことなどによる体力不足であったと思われる。三菱グループは三菱重工業、三菱東京UFJ 銀行、三菱商事の3社を中心とする金曜会という28社の会長・社長で構成される幹事会社で運営されているという。グループ企業は無数にあり、他の5つの大企業集団と同じく日本国民の暮らしに係わる衣食住他すべての分野に事業展開されている。三菱重工は航空機の累積損失1510億円に加え、大型客船でも損失を出しているため子会社だからと放置できない状況に追い込まれているようだ。この事態をどう打開するかというのがグループの状況であり、組織の中で安穏としていたグループ企業のたるみを打開しなければならない事態であると言える。その打開策の一つの視線が国産の自衛艦船、国産の戦闘機、国産の兵器へと向けられ、安倍総理の兵器輸出政策と一体となっているのだとわたしには思われる。 「何としても技術を磨け、何としても仕事を取れ、それは何としても日本が世界で勝ち残っていくための方策である。わが社は日本を背負っているのだ」との声が聞こえてくるのはわたしにだけであろうか。そこには世界の人々が手を取り合い、仲良く暮らしていこうという思想はない。
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