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2017/08/22(火)
魚の小骨(24)学者と戦争
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ところが、現実はなかなかそうもいかぬようだ。防衛省から大学の研究室への補助金支出を巡って、学者たちの激論があった。「再び学者が戦争に協力するや否や」という議題で。ある者は「補助をもらえば協力せざるを得なくなる」と。ある者は「直接関係ない分野であるから補助をもらうのは当然だ」と。もちろん、科学者、医学者、化学者・・・の各分野のエリートたちが戦争に協力した大東亜戦争(太平洋戦争)を踏まえてのことであろう。湯川秀樹博士も原爆研究に携わっていたと聞く。中でも、731部隊の一件は政府も、当事者たちも関係者が黙秘を貫いてきた人体実験の部隊であった。731部隊の話が週刊誌で話題になると、また出版されると「嘘だ」「ねつ造だ」と攻撃し、事実を握りつぶしてもきた。国際法上許されない人体実験を彼らは実施してきた。そもそも医者は人の命を救うのが仕事であり、使命である。だが彼らは実験と言う名目で殺人を繰り返した。この事実が、最近、旧ソ連の軍事裁判の記録(テープ)という形で世に出てきた。そして、731部隊の人体実験が明らかになり、事実であるということが明白となった。人体実験に供された人々はマルタと呼ばれた。およそ3000人にも及ぶという。中国人、満州人、ソ連人を日本は匪賊と呼び、マルタにするのは当然だとうそぶいた。731部隊の正式名称は「「関東軍防疫給水部」である。全国の大学から医学、薬学、疫学などの博士たちが集められたが、中でもエリート医学者は京大から11人、東大から6人であったという。疑問はどのようにして?なぜ?どんな実験を?であるが、なぜ?の答えはやっぱり「金の問題」があった。余談ではあるが、姑息で卑怯な奴が名誉とカネを手にする世の中に吐き気を催すのはわたし一人だけであろうか。
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