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2017/08/19(土)
魚の小骨(22)量子コンピューター
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日本企業の研究開発の関心は人工知能(AI)、モノがネットにつながるIoT、ロボット・ドローン、新素材、省エネ、自動運転、新エネルギー、医薬・創薬、サイバーセキュリティー、防災の順だという。しかし、すぐに利益につながらないという難点がAIやIoT関連の研究開発力を落とさせており、そのため欧米と比べて日本企業のこれらの分野での研究開発の出遅れが目立つと指摘されている。日本経済新聞社の2017年度の「研究開発活動に関する調査」によると、AI,IoT活用では、パナソニックが保有する関連技術を活用して新事業を創出する組織を設立し、分散する研究者を集め、実証実験にも力を入れるという。5〜10年で数百億円の事業に育てる考えだとのこと。ソニーがAI,ロボティクスに重点投資。富士通がクラウド、IoT,AI,セキュリティーの4分野に。トヨタはアメリカでAIの研究。三菱電機は大学や研究機関と共同研究、連携に積極的に取り組んでいるとのこと。さて、わたしが驚いたのは、リクルートHDがカナダのベンチャー企業と提携したという。何が提携の理由なのか?というと、カナダのベンチャー企業が開発した量子コンピューターだという。コンピューターは通常、電気の特性、{0}か{1}かのデジタル信号で演算処理をするが、量子コンピューターは「0であり、1である」という量子力学の「重ね合わせの状態」を使い、並列的に多数の演算をこなすという。そこで、量子コンピューターは対象によっては従来型コンピューターの1億倍も計算が速いという。ということは、この最先端の演算処理技術を有する量子コンピューターを使えば、あらゆるデータ処理が瞬時に出来るということになる。中国での親子特定ももっと早く出来たということになる。1億倍速ければ千日以上かかった演算処理が1秒で済むことになる。それが半分としても、10分の1としても大変なことだ。内燃機関が生まれ、蒸気船や蒸気機関車が走り出した19世紀末、インターネットが登城した1980年代と並ぶ大変革が起ころうとしているのでないかと思える。物理学由来の技術革新が人と情報、科学と化学と生物学・・・、化学と医薬・創薬、生物化学、キャッシュレス経済、個人情報の管理、兵器との融合などなどさまざまな変革、新発明、新発見がぞくぞくと生まれると思われる。
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