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2016/02/20(土)
野守とは?
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茜さす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る 額田王(ぬかたのおおきみ)万葉集巻1・20 茜(あかね)も紫草も貴重な染料の素です。野守(ぬもり)は管理している人や番人のこと。標野(しめの)は天皇の薬草園で立ち入り禁止の場所のこと。「茜を指さしたり、紫草の畑に行ったり、天皇に隠れて立ち入り禁止の薬草園でわたしに手を振るあなた。管理をしている人たちに見つかりはしないでしょうか」という意の額田王の恋歌です。彼女は飛鳥時代の皇族であり、歌人でもあります。天智天皇(中大兄皇子)と天武天皇(大海人皇子)は天智が兄で天武が弟です。彼女は後に天武天皇の妃となります。そこでぼくは昨日ご紹介した「春日野に野守を見ずや蕗の薹」の角川氏の句はこの額田王の歌を踏まえて作られたと思うのです。彼も愛する人と春日野へ出かけていたのかも知れません。
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