|
2016/02/19(金)
春の知らせ
|
|
|
春日野に野森を見ずや蕗の薹 角川春樹 野森(ぬもり)は薬草園の世話をしている管理人や番人のことです。蕗の薹(ふきのとう)はご存知のとおり、早春の寒さの中に川岸や田んぼの土手に土を破って顔をのぞかせる春の蕗です。蕗はキク科の多年草で古くはフフキと言ったようです。冬の頃から霜や雪をしのいで地中から若芽が吹き出るところから冬吹き草(冬吹き)と言われたようです。立春を過ぎたころから浅い緑色の花穂(つまり、若い芽)が目立つようになります。苦みがありますが酢味噌でいただくととても美味しいのです。香りも楽しんでください。医薬品としても使われています。解熱や咳止めによく効き、胃を丈夫にする効能があります。春日野は奈良市春日山の麓の野原ですが、野森については次回にご紹介します。わたしの考えではこの句の背景にあるものがぼんやり見えるからです。さて、しかし、うち続く寒い世の中ですから早く国民や労働者に春の知らせが届いてほしいものだと思います。
|
|
|