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2016/12/06(火)
枯野に女櫛
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枯野哉つばなの時の女櫛 井原西鶴 井原西鶴が枯野を歩いている時、ちょうどつばな(茅萱・ちがや)の時(銀白色の花をつけている春先)であったが、櫛を見つけた。赤い櫛であったかも知れない。花を摘みに来た時に落とした櫛に違いない。淋しい冬景色に一点の艶があるところが嬉しい。 今年も訃報が次々と届く。毎年のことではあるが、年賀状欠礼の御挨拶でもある。現在手元に19通届いている。これ以外にも訃報の連絡が3件ある。大学の先輩、後輩が二人、中学の同級が一人である。お前ももうそそろかも知れない、覚悟せよの連絡や通知とも思えてくる。だが、目をつむると若い当時のそれぞれの面影が思い出されてくるから不思議だ。これからは今までよりももっと荒んだ枯野に踏み入るのであるからせめては艶なる櫛を見つけたいものだ。
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