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2016/11/20(日)
日露の領土問題について(18)
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日ソ共同宣言(昭和31年条約第21号)9 日本国及びソビエト社会主義共和国連邦は、両国間に正常な外交関係が回復された後、平和条約の締結に関する交渉を継続することに同意する。ソビエト社会主義共和国連邦は、日本国の要望に応えかつ日本国の利益を考慮して、歯舞群島及び色丹島を日本国に引き渡すことに同意する。ただし、これらの諸島は、日本国とソビエト社会主義共和国連邦との間の平和条約が締結された後に現実に引き渡されるものとする。 初めは1島も返さないと主張していたソ連側が2島ならばと折れたので2島譲渡を決意した重光外相(当時)が本国に打診するとNOであり、交渉が膠着した。さらにアメリカのダレス国務長官が「4島返還を主張せよ」と重光との会談で強硬に主張したため日ソの平和条約交渉は完全に行き詰ったのであった。背景には保守合同直後の反鳩山派の妨害と米ソ冷戦下のアメリカの干渉が存在していた。しかし、この条約により日ソの外交関係は回復され、日本はこのことにより国連に加盟出来たのであった。そして、今後の交渉継続とシベリア抑留未帰還者問題の解決を憂慮した鳩山は9月に松本俊一を訪ソさせ、グロムイコ第一外務次官との間で「領土問題を含む平和条約締結交渉」の継続を合意する書簡を取り交わすことが出来た。しかし、10月に鳩山首相が訪ソした時、フルシチョフから「領土問題を含む」の削除を要請され、「松本・グロムイコ会談」の公表という形をとることへの合意で削除を鳩山は受け入れたのであった。 先ほど日露首脳会談があったとの報道があり、安部氏が日露平和条約の道すじがついたげなコメントをされた。そこでこの時点での問題点の整理をしておかなければなるまい。
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