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2015/08/14(金)
ひま屋も潰れた
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岡山市清輝橋3丁目に「日満屋」という酒屋があった。「角打ち」と呼ばれる立ち飲みがあった。1升瓶の酒を1合升にトクトクトクと注ぎ塩を添える。以前はコップに注いでいたが、8尺じゃないかとのお客からの苦情を受け、1合升にしたという。手の甲に乗せた塩を舐めながらグイッとあおる親父の姿をよく見かけたものだ。ひま屋の少し北に風呂屋があった。風呂上がりの蛸親父が頭に手拭いをまいて酒をあおるその姿に粋だなあと感心したこともある。この酒屋と風呂屋が昨年の消費税増税を機に店を閉めた。酒屋も風呂屋も店を閉めずにこれまでほんとうによく頑張られたと思う。だが、とうとう風呂屋は高層マンションになった。酒屋は以前の酒税法改正でスーパー、量販店、ネットなどでの販売を可能にしたことによりほとんど潰れた。ほとんど潰れた酒屋を護るためにという理由で自民党は公明党の協力を得て、今国会で酒税法の改正をする法案を議員立法で提案した。安売り規制が中心だ。安売りを止めさせるために新たな基準をつくり、守らない業者名を公表したり、罰金を課したり、最後には酒販免許を取消すという。これに対し、統制経済ではないかとの批判がある。ぼくには安売り乱売競争から大スーパー、大量販店などを護り、デフレを抑えようとする意図がくっきりと見える。ほとんど潰れてしまった酒屋を酒税法改正で護ることができますか。護るべき人たちは今日においては消費者ではないでしょうか。
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