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2015/11/20(金)
楔形文字へ
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学校の跡から発見された粘土板もあり、生徒たちが手本とした粘土板と生徒たちが文字を練習した粘土板も見つかっている。これによりシュメール人の楔形文字が初期の形から進化していく過程がかなりはっきり推測されるという。初期の楔形文字は物の形を簡略化した心覚えのための略画であったようだ。例えば、牛は角を持つ顔で表現し、女性は逆三角形の下部に短い縦線をあしらった性器という具合に。これが性器の三角形に山を組み合わせて「山の向こうから来た女性」を著わすというように進化してゆく。この絵文字が紀元前2900年ごろ曲線が姿を消し、物の形と相いれない直線と三角形による記号へと劇的変化を起こしたという。それが現在われわれが楔形文字と呼んでいる文字である。それは筆記用具の変化によるものだと推測されている。葦のペンで粘土板に文字を描くのではなく、葦の茎を楔形や釘の形に切り落として粘土板に押し付けるという省力化革命が起きていた。書記たちは辞書まで作っていたというから驚きである。文字が記号としての汎用性を持つようになると、初期の文字数1500がおよそ600ほどに減ったというから辞書も必要に迫られて編纂したのであろう。文字を司る書記の権力は絶大であったと言われている。狭くなってゆく地球の中でわれわれの言語や文字はどうなってゆくのだろう?地球共通語は不可欠の課題となってゆくに違いない。それが英語かどうかは現時点ではわからないが必要となってくることだけは確かだ。
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