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2015/10/17(土)
杜子春と毒矢
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表題の杜子春は芥川龍之介の「杜子春」であり、毒矢は安倍自公政権の新3本の矢のことです。まず杜子春ですが、彼は唐代の伝奇小説の主人公ですが龍之介の翻案により日本に紹介されました。路上生活で食べるものに困っていた彼は仙人のお陰で大金持ちになり、贅沢三昧の暮らしをし、使い果たしてまた無一文に。そして、また黄金を掘り当て大金持ちに。何度繰り返しても満足できない。人の世に愛想をつかし、仙人になろうとするが、厳しい修行に耐えられず、人間らしい生活を望んで仙人から山の麓の畑付きの一軒家をもらって暮らすというお話です。毒矢は経済最優先のアベノミクス第2弾の新3本の矢。この矢の狙う的は大多数の日本国民。今年1月に経団連は「豊かで活力ある日本の再生」というビジョンにもとづく提言を発表したのですが、消費税を19%にし、法人税を引き下げる。実効税率25%に。子育ては保育事業を会社ができるようにする、社会保障費は横ばいもしくは引き下げ、などの内容です。その内容を知っている海外投資家はああまたかの反応で新3本の矢を安倍氏が発表すると日経平均株価が下がりました。(日本の株価は海外投資家が上げ下げをさせている)。安倍氏の言葉とは裏腹に新3本の矢には猛毒が塗られています。大企業はアベノミクスで史上最高の利益を上げているにも関わらずまだまだ国民から絞りあげてわしらに儲けさせろと要求し、安倍はそれに応える政策を実行するということです。儲けても儲けてもまだまだ金が欲しいと駄々をこねているのです。大企業と大金持ちにとっての幸福とは飽くなき国民からの収奪です。人間の幸福感とは全く違う異質のものです。だからこそ、今年のノーベル経済学賞受賞者・アンガス・ディートン教授の調査結果にみられるように日本人の幸福感が世界でも低い方だという結果になるほどと思わざるを得ないのです。あなたを狙う毒矢を放つ人たちが人間ではないという事実をわれわれは認識する必要があります。
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