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2013/01/12(土)
J・ハムレ氏の見解をどう見るか(4)
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それではJ・ハムレ氏は原発についてどのように考えているのだろう?それは米国の見方であるだろうし、これに対する日本の対処方針を見れば日米関係がどのようなものかわかるというものだろう。J・ハムレ氏は「福島の原発事故は悲劇であり、住民は政府が事故から守ってくれず、その後も有効な対策をとってくれないと不満を募らせている。問題は住民が政府を信頼していないことだ。住民にとって安全な環境を整えることを政府は最優先すべきだ」と前段は至極まともな判断を下しているし、そのとおりだと納得させられる。しかし、問題は後段である。「一方で日本はエネルギー資源が豊富ではない。原発を再稼働しなければ経済への打撃は深刻で競争力も衰える。米国はまず現存する原発の再稼働を希望する。原発は経済再生にとって不可欠であり、日本の国家安全保障上の観点からも必要だ」と言う。この判断と期を一にして安倍政権は「再稼働を示唆」した。これで自公政権のめざす日米関係がどのようなものかがよくわかる。さて、「原発再稼働が日本の国家安全保障上必要だ」との見解をどう見ればよいのだろう。ここが重要だ。昨日、安倍氏は20兆円を超える補正予算案(さらなる莫大な借金財政でおこなう公共事業優先)を閣議決定したその足で大阪に飛び、維新の会の代表代行・橋下大阪市長に会った。なぜ大阪なのか?なぜ橋下氏なのか?新聞各紙を丹念に読むと憲法を変えようということだったことが判明した。それでは、なぜ原発が国家安全保障上必要なのだろう?わたしは「いつでも俺は核兵器が造れるぞ!」との意思表示するためには「原発が必要なのだ」と確信した。そもそも最初に原発を作る時の背景が核兵器製造の技術保持が目的だったのだから当然といえば当然なのだが、つまり「国家安全保障上必要だ」とは「核兵器はいつでも持てるよ」という諸外国に向けての意思表示なのだ。「核兵器製造はいつでも可能だよ」という核の脅しは、米国も含め、北朝鮮と同じ精神レベルなのだ。だから原発再稼働なのだ。J・ハムレ氏は米国の国防副長官、国防次官経験者なのだから当然目下の同盟者である日本の国防も熟知している。改憲と核兵器保有は原発再稼働で結びついているのだ。われわれ日本国民はこのことをよく承知したうえで原発問題に向き合わなければならない。
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